さぬき市には、財団法人・さぬき施設管理公社が管理する温泉施設が5箇所もある。既に、春日温泉、ゆ〜とぴあみろくは紹介しているが、今回紹介するのは、志度の半島の先端にある大串温泉である。 大串温泉の周辺は大串自然公園と呼ばれ、ワイナリー、テニスコート、野外音楽広場、宿泊施設、研修施設、レストランなどのさまざまな施設がある。 大串温泉の入口はなぜか閉鎖されており、今は隣にあるグリーンヒル大串の玄関から入るようになっている。グリーンヒル大串のフロントで入浴料を支払い、通路を通って大串温泉の建物内に入る。 今日は平日の真昼間だからか、我々取材班以外には客が誰もいない。完全な貸切状態である。 脱衣室にはロッカーが16個しかない(100円硬貨返却式)。そして、さぬき市特有の例の「塩ビパイプ」付だ。このパイプは、ロッカーが自閉してしまうのを防止するための突っ張り棒だ。洗面台は4基、ドライヤーは1個(利用料無料)ある。 さて、浴室であるが、見事なオーシャンビューである。洗い場は全部で9箇所あるが、内6箇所は外に向いており、床から天井まで全てがガラスである。ひょっとしてこれは外から丸見え、と心配になるほどの開放感である。 大串から見える瀬戸内海には遠く彼方に小豆島も見える。行き交う船がゆっくりと動いているので、時間が過ぎていくのをかろうじて思い起こさせる。ここではゆったりとした時間だけが過ぎていく。 外に面した洗い場には、見たこともないカランが設置されている。床から突き出したそのカランは、サーモスタット混合栓で、もちろんシャワーヘッド付。シャワーヘッドの固定金具は、サッシに固定されている。まさに、オーシャンビューを楽しむために考えられた洗い場である。浴室を設計した人に拍手喝采を贈りたい。 浴槽は2槽。大きい方の浴槽は、茶色の湯で、しょっぱい味がする。この食塩が混じった湯は、体を芯から温める効果があるのだという。このため、この湯は「熱の湯」という別名もあるという。湯温はぬるめで長湯に適している。もう一方の小さい浴槽はなぜか無色透明の湯で、かなり熱めだ。サウナ、水風呂、シャワーブースはない。 ちなみに、大串温泉はナトリウム・カルシウム−塩化物低温泉(弱アルカリ性低張性低温泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、健康増進、疲労回復、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病などに効くという。 大串温泉を訪れるなら、晴れた昼間をお勧めしたい。素晴らしいオーシャンビューを堪能できなければ、この温泉の価値は半減してしまうからだ。 | ||||
住所 | 入浴料 | サウナ | TV | 営業時間 | 定休日 |
香川県さぬき市小田2671-75 | 500円 | × | × | 9:30〜21:00 | 火曜日 |
※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2006年8月17日(木)