尾白の湯
(Ojiranoyu)



 当銭湯愛好会として、初めて山梨県の温泉を取材することとなった。昨日はむかわの湯を取材したが、本日は尾白(おじら)の湯を取材する。
 この尾白の湯、源泉に含まれるミネラルの濃度が、プラスイオンとマイナスイオンを合計すると、なんと30,000mg/kg以上もあるという。例えば、ナトリウムイオンは11,080 mg/kg、塩素イオンは18,380 mg/kgもあるという。このため、尾白の湯は日本でも有数の超高濃度の温泉として知られている。
 源泉をそのまま使っている露天風呂の一つは、色が真っ赤である。尾白の湯の説明によれば、豊臣秀吉が愛した有馬温泉と同じような泉質なのだという。舐めてみたら、やはりかなりしょっぱい。そりゃそうだ。1kgの水に30gもなんやかんやが含まれているのだ。尾白の湯で一番人気の浴槽は、もちろんこの露天風呂だ。定員は20人くらいだろうか。
 露天風呂にはもうひとつのより大きな浴槽がある。2人分の寝風呂も備えた定員30人くらいの大浴槽だ。つまり、露天風呂は2つの浴槽で、定員は合計50人くらい。これだけの規模の露天風呂はそうないだろう。
 ちなみに、源泉を使っている先の真っ赤な露天風呂の浴槽以外の浴槽には、源泉を天然水で10倍にうすめた湯が使われている。10倍にうすめていても3,000mg/kg以上の濃度だから、かなり濃いのである(通常の3倍以上ということらしい)。
 但し、露天風呂はあまりに広いせいか、小屋組みは一切ない。冬期の降雪時はかなり苛酷な環境だろう。
 内湯は露天風呂ほどのスケールはないが、それでも十分に楽しめる。大風呂、水風呂、打たせ湯、寝風呂(4人分)があり、私のお勧めは打たせ湯。ノズルを自在に調整可能なので、自分の好きな方向へ向けて、好きな場所へ当てよう。日ごろの肩こり対策もバッチリである。
 サウナは定員10人ほどで、室内温度は90℃。タワー式になっており、段数は確か3段はあったと思う。
 洗い場は18箇所。椅子と桶が両方とも木製となっている。寝風呂の底も木が敷き詰めてあり、快適だ。
 ちなみに、尾白の湯はナトリウム−塩化物強塩温泉(高張性中性温泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病に効くという。
 尾白の湯は、「白州・尾白の森名水公園 べるが」の中にある。公園の中の巨大な水遊び場では、子供達が歓声をあげている。また、隣には「尾白の森キャンプ場」があり、そちらにも砂防ダムを利用したスリリングな水遊び場がある。温泉、天然水と、それらをはぐくんできた森。尾白には、都会にはないすべてのものがある。

大人700円、子供400円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
山梨県北杜市白州町白須8077-1
(白州・尾白の森名水公園
べるが内)
700円 × 10:00〜21:00 水曜日

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年7月20日



 
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