むかわの湯
(Mukawanoyu)



 「フォッサ・マグナ」という言葉を聞いたことがない人はまずいまい。フォッサ・マグナとは、日本列島の中で4つのプレートがひしめき合う場所で、東西日本を隔てる大地烈帯である。
 一方で、サントリーの天然水「南アルプス」を知らない人もまたいまい。このミネラルウォーターは、甲斐駒ヶ岳の花崗岩質の土壌が生んだ名水である。花崗岩が砕けた土壌は、地下水を浄化し、同時に適度なミネラルを与える。
 今回紹介する温泉は、むかわの湯。このむかわの湯は、フォッサ・マグナあり、名水ありの標高500mの釜無川のほとりにある。温泉の立地としては、誠にこれ以上の場所はないのかもしれない。
 むかわの湯は、国道20号線から近い場所にあり、交通に至極便利だ。むかわの湯の近くは、シングルモルトウイスキー白州が飲めるサントリの工場、アイスクリームが食べられるシャトレーゼの工場見学も可能で、首都圏から手軽に行ける行楽地である。もちろん、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳の眺望もバッチリだ。
 浴室は十分楽しめる内容だ。まずは小屋組みのある露天風呂。湯温40℃で、定員15人くらいだ。露天風呂のあるスペースは広く、もみじも植えられているので、秋には紅葉を楽しめるだろう。
 内湯は大風呂、檜風呂、寝風呂、打たせ湯、水風呂がある。大風呂と檜風呂はちょっと熱め。一方、寝風呂と打たせ湯はかなりぬるめだ。寝風呂も打たせ湯もそれぞれ4人分ある。私のお勧めは打たせ湯だ。かなり深い浴槽に立った状態で水流を浴びるようになっている。その水流は各2本あり、それぞれ方向を自在に調整することが可能だ。肩や首の任意の場所に水流を当てて、コリを解きほぐそう。
 サウナは2種類。ドライサウナとウェットサウナ(スチームサウナ)だ。ドライサウナは定員10人くらいで室内温度90℃。ウェットサウナには椅子が5脚置いてある。ウェットサウナはかなり息苦しい。水風呂は水温26℃との表示がある。意外に冷たくはないようだ。
 洗い場は13箇所と少ない。シャンプーとボディーシャンプーは完備。特に、シャンプーはレモンのような匂いがして爽快だ。
 ちなみに、むかわの湯は、ナトリウム−塩化物温泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病に効くという。
 むかわの湯は、北杜市民なら300円で入浴可能らしい。東京の銭湯よりも大幅に安い料金で、ここまで楽しめるなら、行かない手はないだろう。隣には、ゲートボールあるいはバドミントンが可能な多目的屋内運動施設もある。利用料は1時間でわずかに200円だそうだ。運動で汗を流した後に温泉を利用するのも手だろう。

大人(中学生以上)700円、小人(小学生)400円、未就学児無料、北杜市民大人(中学生以上)300円、小人(小学生)200円、北杜市に別荘を所有する人大人(中学生以上)450円、小人(小学生)200円、多目的屋内運動施設1時間200円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
山梨県北杜市武川町牧原1322 700円 4月〜10月は10:00〜22:00
(入館は21:30まで)
11月〜3月は10:00〜21:00
(入館は20:30まで)
火曜日(祝日の場合は翌日休み)

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年7月19日



 
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