極楽湯 入間店
(Gokurakuyu Irumaten)



 極楽湯は全国に展開するスーパー銭湯である。当銭湯愛好会では、和光店を既に紹介している。今回紹介するのは入間店だ。
 入間店は自宅から約23km。かなり遠い。しかし、他の極楽湯に比べて入浴料金が安いので、遠くまで行く価値はある。入間店のまん前は、いまをときめく「三井アウトレットパーク」。休日の午後になると、周辺の道路は大渋滞である。
 この極楽湯、実は東電不動産の所有だ。東電不動産は、鎌ヶ谷、長岡で極楽湯を展開し、多摩堺、藤沢で「いこいの湯」を展開している。東電不動産の銭湯だから、熱源は当然ヒートポンプと思われる。
 今日は、肩こりがひどいので、肩こりに対応した浴槽を求めた。まずは、寝風呂・座風呂群。3種類の浴槽があり、ジェットバス、寝湯、座り湯がそれだ。すべてにステンレス製の冷枕がある。この枕に痛い肩を押し当てることにする。枕の温度は快適な冷たさだ。
 続いて替わり湯へ。今日の替わり湯は「にがり」。天然海水の成分を溶かし込んでいるという。時折、従業員が来て、青い色の粉末を溶かしていく。入浴剤の一種だろうか。湯温は快適な38.5℃。長湯が可能だ。にがりの効能はいろいろと書いてあったが、肩こりが含まれていることだけは確認した。今日は苦手な電気風呂も少しだけ試してみた。
 露天風呂はあまりいろいろな種類の浴槽はないが、広さは十分である。プラスチック製の椅子が多数置かれており、外気に当たりながら休憩している人が多い。中には、大きな岩を繰り返し蹴りながら、足を鍛えている人までいる。露天風呂の楽しみ方も人それぞれである。
 サウナは湿式と乾式の両方がある。湿式は釜風呂と名付けられ、露天風呂からアプローチ可能だ。定員は10人程度。中に入るとあまりの暗さで何も見えないが、次第に目が慣れてくると、そこは低い石製の横長ベンチ(枕か?)が両端にあるだけの空間で、誰もいないことが分かった。どこのスーパー銭湯でも同じだが、なぜか湿式サウナは人気がない。座り心地の良い椅子を置いてみたらどうだろうか。あるいは癒しの音楽を流すとか、もっと明るくするとか。このままでは、湿式サウナはリストラに遭ってしまうだろう。
 一方、乾式サウナは巨大である。定員は30人以上。入口側が一番高くなっていて、奥に行くほど低いタワーサウナだ。テレビをアリーナに例えると、ここはまさにスタジアム。いや、あるいは劇場のようでもある。通常は、入口が一番低いのでそのような感覚を覚えないが、ここは仕掛けがうまくできている。湿式サウナの人気が低い理由が分かる気がする。
 ところで、サウナ内で放映されているテレビ番組は、どこの銭湯でもバラエティー番組あるいはゴルフとなっている気がしてならない。もっとサウナを楽しめる格好の番組にしてみたらどうか。例えば、パウダースキー、フィギュアスケート、ホラー映画、駄洒落の連発のような寒気のする番組を放映すれば、長い時間サウナを楽しめるのではないか。それではサウナに長く入りすぎて身体に悪いということであれば、中華鍋から炎が出ている料理番組、プロレス・キックボクシングのような格闘技、真っ赤な溶けた鉄がドロドロと流れる製鉄所の画像、あるいは火山の噴火の画像はいかがだろうか。熱くなれること請け合いである。
 スーパー銭湯というのは、一定の品質が確保されているところがいい。驚きはあまりないが、安心がある。感動とも失望とも無縁であるが、癒しは期待できる。
 極楽湯・入間店で身も心もヒートアップしてからアウトレットショップへ行くのはちょっと危険である。むしろアウトレットショップでの浪費を極楽湯で静かに反省するか、極楽湯でゆでダコ状態になって気力をそぎ落とされてからアウトレットショップへ行くのが安心であろう。貧乏人のたわごとで恐縮だが。

大人一般平日550円、大人会員平日500円、大人一般土日祝日600円、大人会員土日祝日550円、小人一般平日230円、小人会員平日180円、小人一般土日祝日280円、小人会員土日祝日230円、2歳以下入浴料無料、アカスリ一般1,300円〜、アカスリ会員1,200円〜、整体一般1,900円〜、整体会員1,800円〜、足底療法一般2,100円〜、足底療法会員1,900円〜


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
埼玉県入間市宮寺3186番地 500円 9:00〜26:00(最終受付25:30) 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年6月8日(日)



 
 戻る
inserted by FC2 system