秩父湯元 武甲温泉
(Chichibu Yumoto Bukou Onsen)



 秩父界隈には、さわらびの湯、皆野町・水と緑のふれあい館、秩父温泉・満願の湯、クアパレスおがの、両神温泉・薬師の湯、東上閣、不動の湯、新木鉱泉、丸山鉱泉、谷津川館、玉川温泉、寄居簡易保険保養センター等、たくさんの立ち寄り湯がある。
 もちろん、それ以外に、長瀞の岩畳、秩父ミューズパーク、蒸気機関車パレオエキスプレス号、荒川のライン下り、秩父神社、少林寺を始めとする秩父34箇所等、見所は多い。
 その中でも、武甲山は秩父のシンボルとなっている。石灰石が削り出されたその山肌は、人間と自然との厳しい戦いの痕跡を見せてくれる。
 今回紹介する温泉は、その武甲山の名を持つ、武甲温泉だ。武甲温泉は、横瀬川の袂にある巨大な施設だ。日帰り温泉施設の他に、宿泊施設、キャンプ場を備える。
 秩父の温泉の特徴は、温泉以外のアメニティーが充実していることだろうか。既に紹介している満願の湯では演歌が大きな要素だった。武甲温泉では、それが地元の演劇に変わる。毎週木曜日には、地元の「荒川劇団」が、大休憩室のステージに登場する。もちろん、この荒川の名称は、東京湾に流れ込む荒川の源流がここであることを示している。
 そして、武甲温泉にはマッサージ椅子はないが、フランスベッドの医療用マッサージベッドが2基設置されていて、15分間無料で体験することができる。通常のマッサージ椅子と異なり、このベッドは医療用なので、対面販売が義務付けられているという。
 さて、脱衣室では籠に脱いだものを入れる。貴重品は脱衣室にあるロッカーへ入れよう。ロッカーは100円返却式だ。脱衣室には冷水器もあるので、入浴で奪われる水分をあらかじめ補給することもできる。
 確かに、入浴で奪われる水分はすごい量ではないかと思われる。特に室内温度が100℃にもなるサウナではなおさらのことだ。サウナは定員10名ほど。体内の水分が蒸発してしまわない訳は、発汗により体温を下げる機能が働くからであろう。従って、もはや汗をかかなくなった体ではサウナは危険極まりない。そのような体でサウナに入ったら、たちまちミイラになってしまうだろう。
 洗い場は22箇所あるが、その内8箇所はなんと屋外にある。この時期、もはや屋外で体を洗うのは寒すぎる。この屋外の洗い場は、夏にしか機能しないはずだ。それでも屋外に洗い場を設置したその心意気に、私は拍手を贈りたい。なぜならば、夏であれば、これほど気分爽快なものはないだろうからだ。
 露天風呂は六角形をした巨大な浴槽であり、同じく六角形をした小屋組により、覆われている。小屋組には柱よりも太い梁が縦横に掛けられ、レトロなランタンが数個ぶらさがっている。暗くなったら雰囲気がいいに違いない。
 ちなみに武甲温泉は、単純硫黄温泉(低張性アルカリ性温泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病に効くという。
 武甲の湯は、秩父観光の総仕上げにもってこいの温泉である。

大人平日1日700円、大人土日祝日指定日3時間800円、大人土日祝日指定日1日1,000円、小人平日1日400円、小人土日祝日指定日3時間500円、小人土日祝日1日700円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
埼玉県秩父郡横瀬町
大字横瀬4628-3
700円 × 10:00〜22:00 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2007年9月30日(日)



 
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