秩父温泉 満願の湯
(Mangannoyu)



 秩父、長瀞を中心としたエリアにはたくさんの温泉がある。今回の取材では、そのうちのいくつかを紹介する。まずは、荒川のライン下り、ラフティングのメッカとなっているキャンプ場「ウォーターパーク長瀞」に近いところにある満願の湯だ。

 満願の湯には巨大な駐車場がある。今日は土曜日の夕方。たくさんの車が停まっているので、中はかなり混雑している模様である。

 満願の湯には玄関を始め、ロビー、通路のあちらこちらに演歌歌手のポスターがある。どうやら演歌は、満願の湯のキーワードになっているようだ。実際に、この温泉へ講演するためにやってくる歌手もいるようだ。玄関にはいくつもの歌手のサイン色紙が誇らしげに掲げてある。

 そして注目するべきは、座敷の大広間だ。単なる湯上りの休憩室かと思ったら、カラオケステージがあるではないか。そして40インチはあろうかと思われる大型液晶テレビが広間に向かって据えられている。広間は200人近く収容できる軽食レストランだ。この時間、既に何人もの人がステージに立ち、気持ちの良さそうな歌声を披露していた。

 さて、脱衣室へ向かう。脱衣室では籠に脱いだものを入れる。このため、貴重品は脱衣室内にある貴重品ロッカーへ入れよう。貴重品ロッカーは100円返却式である。

 浴室は大浴槽、水風呂、サウナ、洗い場(12箇所)、露天風呂という構成だ。洗い場にはリンスインシャンプー、ボディシャンプー、固形石鹸、軽石が具備されている。

 サウナは室内温度98℃、定員が5名と少々狭い。しかし、サウナ室内から水風呂が良く見えるので、水風呂の込み具合を確認しながらサウナで汗を流すことができる。水風呂は水温28℃と表示されているが、実際には20℃くらいだろう。

 満願の湯のクライマックスは露天風呂である。露天風呂へのアプローチはなぜか少々長いが、そこから見える渓谷は絶景である。滝が近くに見え、恐らく紅葉のシーズンは素晴しい眺めであろうと想像される。

 露天風呂の浴槽は2つあり、奥の浴槽は特筆すべき代物だ。一つの岩をくり抜いたのではないかと思われるような大きな岩でできており、中はつるつるに磨かれている。外に目をやれば、樽のようなディテールになっている。

 満願の湯の浴槽はどれも約40℃くらいのややぬるめの湯だ。このため、どの浴槽でも長湯が可能だ。もちろん露天風呂の長湯がお勧めである。一方、内湯の浴槽からは小さいながらも和風の庭園が見えるので、こちらも十分に眺めが良くて快適である。

 ちなみに、満願の湯は、単純硫黄泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)で、神経痛、筋肉痛、関節炎、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病に効くという。

 満願の湯は、満顔満面になって満願なること間違いなしの温泉である。それは温泉と演歌の両方の効果によるものであろう。

大人平日1日800円、大人平日3時間650円、大人土日祝日3時間800円、小人平日1日400円、小人平日3時間300円、小人土日祝日3時間400円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
埼玉県秩父郡皆野町
大字下日野沢4000
650円 × 10:00〜21:00 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2007年9月29日(土)



 
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