龍乃湯温泉
(Tatsunoyu Onsen)



 北海道取材4日目である。取材旅行は早くも後半に突入した。本日は、世界遺産の知床半島を巡り、その後層雲峡を経由し、旭山動物園へとやってきた。あいにく天気は雨で、知床では五湖散策ができず、取材車は雨水でドロドロになってしまった。
 今回紹介する温泉は、旭川市内にある旅館・龍乃湯温泉である。龍乃湯温泉では、温泉の日帰り入浴はもちろんのこと、宿泊も可能だ。
 龍乃湯温泉は、一見すると旅館のようには見えず、事務所ビルのようである。箱型でなんとなく味気ない。この箱型の宿泊施設の左側に温泉施設がドッキングされている。恐らく、温泉施設と宿泊施設は別々に建築されたものだろう。どちらかというと温泉施設の方が古いように見える。
 中に入ると旅館らしいロビーがあり、フロントで入浴料を支払う。左へ進むと脱衣室だ。ロビーには、いろいろな飲み物類、アイスクリーム類の自動販売機があるが、入浴後に食堂でちょっと一杯ということも可能だ。
 脱衣室にはロッカーはなく、籠に脱いだものを入れる。
 さて、いよいよ浴室に入る。浴室に入ってまず目に入るのは、真っ赤な湯船。龍乃湯温泉の泉質は鉄。この鉄が酸化して真っ赤になっているものと思われる。龍乃湯温泉では、源泉の温度が低いので、湯を加温、循環しており、湯船は高温と中温の2つがある。中温側の湯船の湯温は42℃くらいであるが、高温側の湯船の湯温は45℃以上だ。さすがに高温側に入っている人は見かけなかった。
 龍乃湯温泉では、この2つの湯船以外は地下水を使用している。露天風呂、超音波風呂、水風呂がそれだ。水風呂の前にはサウナがあり、サウナの室内温度は90℃、定員は6人くらいだろうか。サウナ室内にはしっかりとテレビまで具備されている。
 露天風呂の方はあまり開放的とは言えないが、龍乃湯温泉のロケーションが旭川市内であることを考えれば、やむをえないかもしれない。露天風呂内には椅子が4つあり、常連客達は、この椅子で長い時間ボーッと涼んでいる。何も考えないで佇む。これが風呂の快感に他ならない。
 洗い場は湯船の並びとは反対側に設置され、全部で14箇所。他にシャワーブースが1箇所ある。シャンプー類は設置されていない。
 ちなみに、龍乃湯温泉は、単純鉄冷鉱泉(中性低張性冷鉱泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、痔疾、慢性消化器病、月経障害、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進に効くという。
 龍乃湯温泉は、旭川で数少ない温泉のようだ。日本で最も寒いと言われるこの地に、温泉があることの必然性とありがたさを、旅をしながら感じずにはいられなかった。日本という国は本当にいい国だ。
 明日は、旭岳、十勝岳へ向かう。

大人500円、小学生250円、未就学児100円、サウナ追加料金60円、宿泊者は無料


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
北海道旭川市東旭川町下兵村91 500円(宿泊者は無料) 9:00〜22:00
(サウナは平日は13:00〜22:00、
土日祝日は9:00〜22:00)
無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2007年5月2日(水)



 
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