萩温泉 源泉の宿 萩本陣 湯の丸
(Hagi Onsen Gensennoyado Hagihonjin Yunomaru)



 私の中学生時代の修学旅行は、京都から広島まで新幹線で移動し、原爆ドームを見学して宮島で宿泊、その後山口へ移動し、秋芳洞を見学して萩で宿泊、最後は下関だったか門司だったかは忘れたが、そこから夜行の船で神戸へ戻った。したがって、私にとって萩は思い出深く、懐かしい場所だ。
 今回紹介する温泉は、巨大宿泊施設・萩本陣にある「湯の丸」である。萩には温泉は少ないが、萩本陣は地下2,000mから湧出する源泉を使用している。湯の丸は「紅葉の湯」と「椿の湯」の2種類があり、5:30〜9:00は紅葉の湯が男湯で椿の湯が女湯になり、11:00〜24:00はその逆となる。つまり、1泊すれば両方を楽しめるようになっているわけだ。
 まずは椿の湯を紹介する。脱衣室から浴室に入ると正面に大きな内湯の浴槽が見える。その向こう側は竹林と城壁のある中庭だ。城壁は、よくある石垣の曲線を忠実に再現している本格派だ。内湯の両側にはそれぞれ10か所、合計20か所の洗い場がある。洗い場には木の桶、木の椅子があり、馬油のシャンプー、トリートメント、ボディーソープの他に、柿渋のボディーソープ、炭洗顔クリーム、うるる泡茶洗顔石けんがある。
 洗い場のさらに奥には、中庭を囲うように半屋外の浴槽がいくつも並んでいる。左側には座風呂、寝風呂、気泡風呂が、それぞれ個室のようになって並んでいる。座風呂と気泡風呂は定員10人くらい、寝風呂は定員3人だ。
 右側は源泉をそのまま使用している壺風呂が2基。その奥には「光の間」と呼ばれる薄暗い浴槽がある。「湯の丸」の源泉は温度が30℃。これをそのまま使っている壺と、40℃まで加温した壺がそれぞれ1基ずつ並んでいることになっているが、なぜか両方ともほとんど同じ温度に感じる。かなりぬるめで長湯が可能だが、それぞれ定員が1人なので混雑している時の長湯は遠慮しておこう。
 一番奥は、露天風呂、ドライサウナ、水風呂だ。今日は台風接近により、雨風ともに強いが、このような気候でも、頭と肩に激しい雨粒を受けながら露天風呂を優雅に楽しむことができるなんてぜいたくな話だ。この露天風呂は「城壁露天」と名付けられており、城壁の上にある露天風呂というイメージになっているため、将軍気分で入浴できよう。ドライサウナは室内温度が92℃、定員は約12人である。水風呂は珍しく壺風呂になっている。
 続いて紅葉の湯を紹介する。紅葉の湯では、椿の湯のドライサウナがウェットサウナ(定員6人)に、城壁露天が土塀露天に、座風呂、寝風呂、気泡風呂が歩行風呂、流水風呂に、光の間が「香の間」に変わる。水風呂はない。洗顔フォームなどのアメニティー類は、ピーリングジェルがあるなど、紅葉の湯の方が充実している。
 ちなみに、萩本陣の湯はカルシウム・ナトリウム−塩化物温泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、間接のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病に効くという。
 「湯の丸」は様々な風呂が楽しめるだけでなく、それが見事に演出されていて、入浴する者をワクワクさせてくれる。スーパー銭湯ならぬ、スーパー温泉ホテルである。

大人1,200円、小人600円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
山口県萩市大字椿東385-8 1,200円 × 宿泊者は5:30〜9:00、11:00〜24:00、日帰り入浴は11:00〜23:00(最終受付22:00) 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2010年8月11日(水)



 
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