新日本海フェリー ゆうかり
(Shin Nihonkai Ferry Yuukari)



 いよいよ待望のゴールデンウィークが始まった。今年のゴールデンウィークは北海道を取材することになっている。どのような風呂に出会えるか、今から楽しみである。
 というわけで、その第一弾が「ゆうかり」である。今までいろいろな銭湯、温泉を取材してきたが、今回紹介する風呂は、その名の通り「移動する風呂」。船の中の風呂である。
 ゆうかりは、新潟・小樽間を結ぶ新日本海フェリーの定期航路を行くフェリーだ。関東圏から北海道へ長距離フェリーで上陸する方法には、この新潟⇔小樽の航路と、別の会社が運航する大洗⇔苫小牧の2つのルートがある。
 ゆうかりは私が予想していたよりもかなり大きな船で、2等船室は12人分毎に個室になっており、場所取り合戦をしないで済むようになっている。それに、2等客室にありがちな喧騒がほとんどないので快適だ。船内は清潔感もある。
 中学の修学旅行で山口から神戸へ帰った時、大広間の2等船室で、夜に皆で枕投げをしたのが懐かしい。
 さて、ゆうかりの風呂であるが、乗船から夜22:00まで利用可能だ。長距離を車で走ってきて、ろくに風呂に入っていないトラックの運ちゃん、ツーリングのライダー達で、出航前から浴室は大盛況である。
 その浴室は実に合理的にできている。左右対称に近く、壁側にカランは整然と並べられ、窓側に浴槽が配置されている。カランは16箇所。シャワーブースも両端に各1箇所ある。浴槽はぬるめの湯で、外の景色を見ながらくつろぐことができる。外の景色といっても、空と海とその境界にある水平線しか見えないが、、、。
 浴槽に浸かっていると、時々湯が波のように移動することがある。この風呂が移動している証拠だ。波の影響で船の速度にむらが生じたり、船が上下に動くと、慣性力で浴槽の湯が移動するのだ。こんな奇妙な現象が起こる風呂は初めてである。
 さて、ゆうかりの風呂にはサウナもある。中に入ると、蒸気で視界がなくなる。どうやらウェットサウナらしい。温度もかなり高いようである。6〜7人程度が座れるようになっているが、混雑している浴室に比べると、サウナは閑散としている。あまりに蒸気が多すぎて長居ができないし、水風呂もないからだろうか。第一息苦しい。
 乗船時間は18時間。この間に何度風呂に入っても構わない。もちろん船内にはコインランドリーもある。洗濯機が1回200円、乾燥機は30分100円である。風呂に入っては洗濯し、の繰り返しで、18時間はあっという間に過ぎていくだろう。
 ゆうかりの風呂は、これから旅を開始する人にも、旅を終えて岐路につく人にも、実に快適な存在である。


航路 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
新潟⇔小樽 乗船者は
無料
× 乗船〜22:00 無休
(運航日要確認)

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2007年4月28日(土)、2007年5月5日(土)



 
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