マリンスパあたみ
(Marine Spa Atami)



 熱海とは、考えてみれば奇妙な地名だ。海が熱くなるくらい強烈な温泉が湧き出ていたのだろうか。調べてみると、実際にそのような伝説があるらしい。熱海市役所のホームページによると、「熱海温泉の起源は、今からおよそ1250年前の天平宝字(755〜765年)頃、箱根権現の万巻上人が、海中に沸く熱湯によって魚類が焼け死に、甚大な被害を被っていた漁民たちを助けようと志し、祈願によって泉脈を海中から山里へ移したことと伝承されています。このことは山東庵京山の書いた「熱海温泉由来」(1830年)にも記述があります。」とある。
 久しぶりに熱海へやってきた。今回は、温泉がたくさんある熱海の中でも、あまり数のない日帰り温泉施設であるマリンスパあたみを紹介する。
 マリンスパあたみは、単なる日帰り温泉施設ではない。日帰り温泉施設と言うよりは、スポーツ、温浴施設だ。1年中利用できる25mプールの他、夏季のみ利用できる流水プールや屋上プールがあり、12種類のジャグジー(打たせ湯、寝湯等)、4種類のサウナ(低温、高温、スチーム、輻射熱)がある。これらの施設は、すべて水着が必要である。もちろん、水着のレンタルもある。
 水着がなくても利用できるのは、男女別浴室だけである。上記のスポーツ、温浴施設を利用した後に、さっぱりするために利用するという位置付けなのだろう。浴室は、男女の各脱衣室側にある。
 この浴室、マリンスパという名称だけあって、浴室全体がガラス張りになっており、海を一望できる。遠くには灯台が見え、クルーザーや漁船が停泊している小さな港も見える。今日の海は穏やかだ。また、浴室は2階にあるので、目の前の道路を往来する自動車や人で眺望が遮られることはない。
 浴槽は2つあって、微妙に湯温が異なるようである。私はぬるい方を選び、何度も出たり入ったりしながら温泉を楽しんだ。
 入浴後は2階のロビーでくつろぐことができる。ロビーにはマッサージ椅子(8分100円)が4脚、足ツボマッサージ器が5個の他、「フラベロスII」なる名称の奇妙な機械が2基ある。使い方は不明であるが、スポーツ施設らしい品揃えである。
 ロビーからはプールも見える。プールは全6コースあるが、各コースに1人ずつくらいしか利用客がおらず、閑散としている。また、ロビーに接続されているレストランの客は1人もいなかった。この施設が閑散としているのは、1,000円という利用料金が高すぎるからではないだろうか。我が町・西東京市の同様の施設では、温泉はないが、プールの利用料金は400円だ。
 熱海市のリゾート地としての魅力は急速に色あせているように思える。だからこそ、観光客相手ではなく、このような地元民相手の施設を作ったのかもしれない。それにしても、もっと利用客を増やす努力は必要なのではないか。
 マリンスパあたみは、快適そのものの施設だ。国道135号線から近いのも、車で来る客には至極便利だろう。また、熱海駅からは路線バスが運行している(熱海駅8番乗り場)。但し、マリンスパあたみへ来るときは、水着をお忘れなく。

営業時間:3月1日〜7月19日9:00〜21:00、7月20日〜9月15日(夏季)9:00〜22:00、9月16日〜2月28日(冬季、秋季)10:00〜21:00、12月28日〜1月3日(年末年始)10:00〜18:00
定休日:木曜日(祝日、夏休みは営業)
入浴料(入館料):通常日大人(高校性以上)1,000円、小人(小中学生)500円、指定期間(ゴールデンウィーク、夏季、年末年始のうち12月30日〜1月3日)大人1,100円、小人550円、夜間(18:00以降)大人700円、小人350円、花火大会開催日(夜間料金の適用なし)大人1,300円、小人650円、水着レンタル350円、バスタオルレンタル200円、館内着レンタル大人400円、小人200円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
静岡県熱海市和田浜南町4-39 本文参照 不明 本文参照 本文参照

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年6月



 
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