伊豆韮山温泉 めおと湯の館
(Izu Nirayama Onsen Meoto Yuno Yakata)



 めおと湯の館は旧韮山町にある日帰り温泉施設である。「めおと」とは、この地にゆかりのある源頼朝・北条政子夫妻のことを指している。
 めおと湯の館の営業開始は10:00からであるが、10:00過ぎに現地へ行くと、既に駐車場は半分くらい車で埋まってしまっている。地元の常連客に支持されていることの証である。
 めおと湯の館の入浴料システムは3時間の時間制限付である。いつまでも施設から出て行かない常連客に業を煮やしたのか、こういうシステムになっているのだ。このことは、この施設がいかに快適であるかを示しているとも言えよう。
 中に入ると左側がフロント、正面がロビー、右側が休憩施設になっている。ロビーの奥の中庭には、「健康素足ロード」がある。石でできたイボイボや竹踏みがたくさん置いてあるが、利用している人はいなかった。
 この中庭の両側が脱衣室への入口になっている。浴室は、それぞれ「ロマンの湯」「時代の湯」と名付けられているが、定期的に男湯と女湯を入れ替えるようになっているものと思われる。本日は、時代の湯が男湯であった。
 脱衣室に入る。脱衣室には無料の鍵付ロッカーがたくさんあり、洗面台もある。
 さて、いよいよ時代の湯に入る。中に入ると左側がサウナになっている。サウナはスチームサウナであり、室内温度は不明であるが、定員は8人程度となっており、かなり広い。通常サウナと言えば、かなり暗いイメージがあるが、ここのサウナには採光用の窓が設けられているので、非常に明るい雰囲気である。モクモクと出るスチームを見ながら、しばしボーとしてしまった。
 サウナの横にはシャワーブースが1箇所あり、その横が大浴槽である。大浴槽の反対側が洗い場、一番奥が小浴槽となっている。露天風呂、水風呂はない。
 洗い場は全部で11箇所。カランはサーモスタット混合栓だ。リンスインシャンプー、ボディーシャンプーも完備している。
 大浴槽は大変大きい。40人は同時に入れる大きさではないだろうか。マッサージ流や、気泡湯も用意され、好みの場所でゆったりできる。湯温は42℃くらいだろうか。私にとってはちょっと熱めではあるが、適温である。窓際には、寝っころがって「芸術品」になっている常連客もいる。
 さて、問題は小浴槽である。この小浴槽、四畳半程度の大きさなのだが、ここになぜかお年寄り達が所狭しと集まって入っている。しかも、その人達は長時間じっとしていてなかなか動こうとしない。
 近くへ寄って行って、浴槽に手を突っ込んでみると、湯温が非常に低いことがわかった。ほとんど人間の体温と同じ温度である。冷たくも、熱くもない。後でフロントに確認したら、設定温度はやはり36℃なのだという。
 これは新しい発見だったかもしれない。私はこの浴槽を勝手に「人肌湯」と呼ぶことにした。人肌湯は実に快適である。のぼせることはありえないし、寒くてくしゃみが出ることもない。お年寄りの常連客達がじっとしている理由がよくわかる。熱い湯が好きという江戸っ子達は、この人肌湯をどう感じ、どう評価するのだろうか。少々興味がある。恐らく、江戸っ子はプライドが高いので、人肌湯を「邪道」と言って一蹴するに違いない。
 ちなみに、めおと湯の館の湯は、単純温泉(弱アルカリ性・高温泉)で、筋肉痛、運動麻痺、慢性消化器病、冷え性、疲労回復、健康増進等に効くという。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
静岡県伊豆の国市寺家679-6 大人500円、小人250円(いずれも3時間の料金、小人は3歳〜12歳、大人は中学生以上)、18:00以降の入浴は、大人300円、小人150円 × 10:00〜19:30 木曜日(祝日の場合は翌日休)、5月末週の平日、12月25日〜12月31日(詳細は要問合)

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2005年7月15日(金)



 
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