最近強く感じることがある。人生の半分は終わったということだ。私の年齢は現在40歳。日本人の平均的な寿命はだいたい80歳だから、人生の半分は終わったことになる。また、私は社会人になって18年あまり経つ。定年まで後20年弱だ。この意味から言っても人生は半分終わったことになる。そして、子供は上の子が現在10歳、下の子が9歳。成人になるまでの半分が終わった。子育ての意味からしても同じである。 　今いるのは人生の折り返し地点。過去を振り返りつつも、前へ向いてさらに人生を楽しまなければならない。もう二度とない人生である。後悔しないように、自分の人生は自分で選ぶということが大切だ。他人からコントロールされる人生はまっぴらごめんだ。というわけで、今日も銭湯取材である。 　今回紹介するのはスーパー銭湯「おふろの王様　志木店」だ。既に紹介している「おふろの王様　東久留米店」、「おふろの王様　花小金井店」「おふろの王様　光が丘店」の姉妹店だ。おふろの王様は、この他に港南店がある。 　志木店は広大な敷地を贅沢に使っている。建物は2階建てであるが、2階部分は少なく、その分建築面積はかなり大きい。2階には無料休憩所（座敷）と岩盤風呂、アイスルームがあるだけで、その他の機能はすべて1階にまとめられている。 　1階には巨大な食事処があり、風呂上りに利用できる。メニューは結構多彩だ。もちろん風呂も多彩である。まずは露天風呂へ。志木店は天然温泉だが、露天風呂のみでそれを楽しむことができる。露天風呂には大きな岩風呂の他に、寝風呂（3人分）、寝ころび湯、壷湯（3人分）がある。寝ころび湯では、数人の客が本当に気持ち良さそうに眠っている。露天風呂には絹の湯と呼ばれる乳白色の湯もある。細かい泡が体を芯から暖めてくれるらしい。 　さて、なぜか人気がないのがウェットサウナだ。中に入ると、まずアーチ状のゲートがあり、その奥はドーム状の天井になっていて、いかにも釜の中にいるような雰囲気である。時折出てくる蒸気の噴出音は猛烈な大きさで、まるで地獄にいるような心地だ。椅子は4箇所ほどあったと思うが、眼鏡が曇ってしまってよく見えなかった。私としては、混雑しているドラウサウナよりもお勧めである。 　ドライサウナは巨大だ。階段状になっており、定員は20人以上。テレビも完備されている。サウナの前にある水風呂も定員4人以上とこれまた大きい。水温は17.6℃と表示されている。 　内湯の浴槽は、一通りのものがそろっている。特徴的なものを2つだけ紹介しよう。ひとつは不感温度風呂だ。湯温が36℃くらいなので、温かくも冷たくも感じない。このため、長時間入っていてもほとんど疲れないのだ。おふろの王様　志木店の説明によれば、この温度なら心身がリラックスできるのだという。 　もう一つの特徴ある浴槽は、高濃度炭酸泉である。高濃度炭酸泉は医療の現場でも使用されている装置と同じものが使われている。これにより、疲労回復、美肌、肩こり、関節痛に効くという。これはありがたい。 　おふろの王様　志木店の浴槽はどれもこれも熱くない。40℃前後に保たれている。そう言えば、江戸っ子は熱い湯が好きだとよく言われるが、私はそれは嘘だと思う。割合としては多くない熱い湯が好きな客から「ぬるいじゃねえか！」と他の客の前で文句を言われるのは、銭湯業としては恥をかかされたのと同じになる。燃料をケチっていると思われたくないから熱い湯を提供する。その連鎖で、江戸の銭湯の湯は熱くなったのではないか。もちろん、法律で湯温の最低レベルを規制されていた時代があったとも聞く。性能の良い制御装置がない時代は、安全を見て高めの温度にするしか法律を守る方法がなかった。 　おふろの王様　志木店には、熱い湯に顔をしかめて湯船に浸かる人はいない。湯温が適温だからだ。高い金を払って、熱い湯にちょこっとだけ入って、帰ってしまうのはもったいない。おふろの王様　志木店の湯は、しっかりと楽しめるようにできているのだ。 　人間は、いや日本人は、人生のうち50分の1くらいの時間を入浴に費やしている。この時間をもっと楽しまなければ、人生の50分の1を損したことになる。損をするか否かは、自分次第だ。 会員大人平日650円、土日祝日750円、一般大人平日700円、土日祝日800円、小学生平日350円、土日祝日400円、幼児（3歳以上）平日250円、土日祝日300円、3歳未満無料、岩盤風呂会員500円、一般550円、ヘアカット1,000円、顔そり1,000円、アカスリ会員3,200円〜、一般3,500円〜、エステ会員3,000円〜、一般3,200円〜、ボディケア会員1,900円〜、一般2,000円〜、足底療法会員1,900円〜、一般2,000円〜、ハンドケア会員1,900円〜、一般2,000円〜、タイ古式療法会員3,000円〜、一般3,200円〜

※　入浴料はサウナ料金込で表示
※　ＴＶはサウナ内にＴＶがあるかを表示
取材：銭湯愛好会東京支部
取材日：2008年5月24日（土)

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