ふれあい交流センター いきいきの里
(Fureai Kouryuu Center Ikiikinosato)



 日本で最初にユネスコの世界遺産に登録され、世界最古の木造建築でもある法隆寺。その法隆寺のすぐ近くにある入浴施設が、今回紹介する斑鳩町営の「ふれあい交流センター いきいきの里」である。
 ふれあい交流センター いきいきの里は、「健康づくり、ふれあいづくり、地域の文化づくりを促進し、子供からお年寄りまでの多世代間の交流を図る」ことを目的に2000年にオープンした。入浴施設以外では、休憩や集会、会議ができる大小の広間、カラオケが可能な2つの娯楽室、さらにゲートボール場までも備える。ちなみに、ふれあい交流センター いきいきの里は温泉ではなく、単なる入浴施設である。
 ふれあい交流センター いきいきの里に到着すると、駐車場にもカラオケの気持ちよさそうな歌声が聞こえてくる。館内に入れば、高台からの斑鳩町の眺望を見ることができる。大広間では高校野球の熱戦が始まったばかりで、客だけでなく館内のスタッフまでもがテレビの前にくぎ付けになっていた。
 ふれあい交流センター いきいきの里の利用料金は、地元のお年寄りに限ってみればわずか200円。2,000円で11枚綴りの回数券を購入すれば、さらに約1割の割引となる。このため、館内の客は地元のお年寄りがほとんどとなっている。
 浴室はいたってシンプルだ。サウナはなし。露天風呂はなし。12か所の洗い場と、2か所のシャワー、大きな気泡風呂、大きなマッサージ風呂、水風呂があるだけである。洗い場にはシャンプー、ボディーソープが完備され、カランの水圧は申し分ない。
 気泡風呂は岩風呂風に仕上げられ、縁の幅が広めに作られているので、そこに座ってほてった体を冷やすことも可能だ。
 マッサージ風呂には、壁側にたくさんのマッサージ流の出口があり、客が横一列に並んで座ることができるようになっている。
 ふれあい交流センター いきいきの里にはサウナはないのになぜか水風呂があり、その水風呂がなぜか人気だ。水温が極度には低くないからであろうか。
 入浴後は、フロントの前にある冷水器で水を飲むことがお勧めだ。冷たい水で生き返った心地になる。さらに、ふれあい交流センター いきいきの里では軽食も可能である。
 ふれあい交流センター いきいきの里の時間はゆっくりと流れ、のんびりと、そしてまったりとした感じがする。ここはまさに典型的な田舎の入浴施設だ。すべてのわずらわしいものから解放されているのだ。時間に追われる日々、書類に押される決済判子の列、上司や顧客のご機嫌取り、金儲けや損得勘定、競争社会、通勤列車。ここはそれらとは完全に無縁なのだ。ただ風呂に入って体を洗う。それだけでいいのだ。
 ふれあい交流センター いきいきの里は、法隆寺観光の後に訪れることをお勧めしたい。このふれあい交流センター いきいきの里の時間の流れが、法隆寺のそれと同じように感じられるのは、この斑鳩という地域独特のカラーだからなのだろうか。ここで感じるべきは、すべてのわずらわしいものから解放された、ここにだけある時の流れだ。

65歳以上:町内200円、町外400円、16歳以上65歳未満:町内300円、町外500円、6歳以上16歳未満:町内100円、町外300円、6歳未満:町内無料、町外100円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
奈良県斑鳩町法隆寺北1-13-15 500円 × × 10:00〜20:00
(浴場は10:30〜19:30)
月曜日
第4火曜日
年末年始(12月30日〜1月1日)

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2009年8月8日(土)



 
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