やっとこの温泉にたどり着いた。というのも、2年程ほど前からこの温泉に入りたかったのだが、最近は営業をしていない時期があったからだ。どうやら女将さんが入院をしていたため、営業を一時見合わせていたようだ。今は完治されている模様だ。 今回久しぶりにこの近くまで来たので、島温泉に立ち寄ることにした。と言うか、今日は朝から雨なので、温泉に入る以外にすることがない状態なのだ。 島温泉にやってきたのは朝の10:00頃。もちろん入浴客は我々取材班のみで貸し切り状態だ。島温泉は、国道のすぐ近くにあるが、国道から一段下がった場所にあるので、静かなロケーションになっている。 浴室は玄関の左奥にあり、脱衣室へ至る廊下の途中には、「湯の嶋 旅館 松島館」と書かれた板がある。島温泉の別名だろうか。廊下の突き当たりの小さな脱衣室には8人分の棚があるが、籠は4個しかない。それもそのはず、島温泉の浴室はシンプルそのものであり、小さい。内湯に小さな浴槽があるだけだ。洗い場が2箇所、浴槽の定員が2人程度なので、浴室は4人入れば満員ということになる。このように、籠が4個しかない脱衣室だと、5人目の客は入るのに勇気がいるかもしれない。 浴室の床、壁、浴槽はタイルで仕上げられているが、いずれもかなり古く、浴槽のタイルには、温泉の成分がこびりついて茶色に変色している。この浴室で唯一色気があるのは、壁面のガラスブロックである。恐らくガラスブロックの向こう側は女湯だ。 我々取材班が訪れた時は、浴槽の湯はぬるめであったが、その湯温は調節が自由自在だ。浴槽には蛇口が3つあるからだ。左から熱湯、水、ぬるい湯になっており、自分の好みの湯温にすることが容易だ。蛇口の表面は温泉の成分でコテコテである。 ぬるい湯に浸かりながら窓の方を見ると、大きな石が3つ置いてあるではないか。この石の意味は不明であるが、昔登山をしていた頃、登山の記念にその山の石を持ち帰っていたことを思い出した。ちょっと重たいお土産であるが、お金がかからないので、貧乏登山家には貴重なものであった。他人が見れば無意味なものでも、浴室に置いてあるこれらの石が無意味なものであるということはなかろう。これらの石にもこの温泉宿のご主人の何らかの思いがあるに違いないのだ。 ちなみに島温泉は、ナトリウム・カルシウム−炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)で、リウマチ性疾患、運動器障害、創傷、やけど、慢性湿疹、角化症、虚弱児童、女性性器慢性炎症、卵巣機能不全症、子宮発育不全症、月経障害、更年期障害、皮膚掻痒症に効くという。ずいぶんと変わった効能ばかりの温泉だ。 島温泉は、古さと快適さを備えた小さなサンクチュアリであった。もちろん温泉宿であるから、宿泊も可能である。 大人500円、小人(小学生)300円 |
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住所 | 入浴料 | サウナ | TV | 営業時間 | 定休日 |
長野県北安曇郡小谷村 大字北小谷島1889 |
500円 | × | × | 9:00〜18:00(要確認) | 要確認 |
※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年9月13日(土)