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白馬龍神温泉 湯あそび処 おぶや
(Hakuba Ryuujin Onsen Yuasobidokoro Obuya)



 今回紹介する温泉は、「白馬龍神温泉 湯あそび処 おぶや」。「湯あそび処」という屋号を聞いて、「ついに白馬村にもスーパー銭湯ができたのか。」という思いをいだいた。確かに、白馬には温泉は多いが、入浴そのものを遊び、すなわちエンターテインメントととらえたコンセプトの入浴施設はないように思う。
 おぶやの特徴としては、まずその料金制度がある。スーパー銭湯のように会員制度を設け、会員には入浴料を安くするというものだ。このようなシステムを持った温泉は白馬村には皆無であろう。顧客の囲い込みを狙ったものと思われる。次の特徴としては、温泉とは何ら関係のない水晶だとか、岩塩だとかを展示し、水晶の販売も行い、様々な、そして実に手の込んだからくりを持った、目を楽しませてくれるオブジェをあちらこちらに配置しているということであろう。これらは、単にオーナーの趣味なのかもしれないが、入浴をエンターテインメントにしている証でもあろう。つまり、おぶやが客を楽しませることを主眼にしているということだ。
 ところで「おぶや」の「おぶ」とは、この地方の方言で「風呂」を意味する。「おぶや」とは、すなわち「風呂屋」という意味だ。実にストレートである。
 さて、おぶやの風呂は内湯と露天風呂がある。建物が大きな切妻の様式になっており、屋根を支える木の梁が露出にて縦横無尽に掛かっているのが分かる。これらの梁が、内湯においても、露天風呂においても強調されており、視界の中に入って目を楽しませてくれる。あの梁があの梁を支え、えーと、えーと、と考えているうちに、頭がボーとなってきて、もうどうでもよくなってくるのだ。これぞ温泉の効用だ。
 内湯の浴槽の底には恐るべき仕掛けがある。水晶と照明器具が埋め込まれているのだ。思わず、底をまじまじと見つめてしまう。
 露天風呂は圧巻である。切妻の屋根から大量の雪が落ちてくるし、周辺にも降り積もった雪がどっかりとある。まさに雪国の露天風呂を満喫できるのだ。そして、その雪の合間には、大きな瓶に仕掛けられた照明器具が配置されている。夜になれば、光の幻想的な演出を見ることができるのかもしれない。
 露天風呂には石造の大浴槽の他に、壷風呂も用意されている。大人用が3つ。その他に子供用の壷風呂まで用意されている。男湯には桃太郎の桃の形の壷風呂があり、女湯には竹取物語の竹の形の壷風呂があるという。女湯では、その竹の中に、子供を抱いた大人が入っていたとか。
 さて、注目は露天風呂の一番奥である。除雪が行き届いた小道を進むと、一番奥にお堂らしきものがある。観音開きの扉を開けると、何とそこは浴槽兼ウェットサウナである。下半身は浴槽に浸かり、上半身は蒸気を浴びる。このような風呂は日本中探してもないかもしれない。実にユニークである。
 ちなみに、おぶやの湯は、ナトリウム・塩化物・硫酸塩泉(芒硝泉)で、浴用としては、動脈硬化、高血圧、切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、関節炎、筋肉痛、リウマチ、気管支喘息(飛沫等の吸入時)などに効くという。また、飲用としては、慢性胆嚢炎、胆石症、肥満症、糖尿病、痛風、動脈硬化慢性消化器病(胃腸病)、慢性便秘などに効くという。
 おぶやは、白馬のどの温泉よりも、エンターテインメントを追求した、ユニークな温泉であった。

大人会員700円、大人ビジター800円、入会金100円、小人400円、シニア(60歳以上)500円、岩盤浴980円、年間パスポート48,000円、夫婦年間パスポート90,000円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県北安曇郡白馬村
神城21396
700円 (ウェットサウナのみ) × 10:00〜23:00(最終入場22:30) 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年1月2日(水)



 
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