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若栗温泉 乗鞍荘
(Wakakuri Onsen Norikurasou)



 乗鞍岳と言えば、北アルプスの標高3,000m超で日本百名山のひとつであるところの乗鞍岳を想像する人が多いだろう。ところが、乗鞍岳という名前の山は他に多数あるようで、同じ北アルプスにも白馬岳の近くに白馬乗鞍岳という山がある。若栗温泉 乗鞍荘は、この白馬乗鞍岳の東側にある白馬乗鞍スキー場の温泉宿だ。もちろん立ち寄り入浴が可能だ。
 白馬乗鞍岳の周辺は、白馬岳エリアの山岳スキーのメッカともなっている。白馬乗鞍岳山頂からは、栂池高原、蓮華温泉へとツアーコースが多数存在している。また、白馬乗鞍スキー場は、隣の白馬コルチナ国際スキー場と相互往来が可能であり、ゲレンデ規模はかなり大きいと言えよう。
 そんな地理的資質に恵まれた若栗温泉 乗鞍荘は、スキー、登山などスポーツの後の入浴にもってこいだ。
 建物の中に入ると、目を引くのが大きな水槽。床にぽっかりと穴が開いており、まるで生簀のような構造だ。この中に、大きな鯉が泳いでいる。ロビーは広く、ゆったりと座れるソファーが多数設置され、大型薄型テレビがあって、ローカルな放送を楽しみながら、くつろぐことができる。例えば、菅平高原スキー場のコマーシャルなんかが飛び出してくるのだ。
 さて、若栗温泉 乗鞍荘の風呂はかなりシンプルだ。中は大きな浴槽と洗い場だけがある。露天風呂、サウナ、水風呂といったものはない。洗い場は浴槽の周りにL字型に配置され、10箇所。カランのクロムメッキは剥がれ、既に黄金色に変色してしまっている。リンスインシャンプーとボディーソープは完備。これが蜂蜜入りという珍しい代物だ。シャワーブースは隅っこに1ヶ所ある。
 さて、浴槽であるが、これが熱い。奥の方から給湯された湯は、手前の排水溝へとオーバーフローするようになっており、奥へ行くほど熱い。奥が45℃くらいで、手前が43℃くらいだろうか。奥には、100mmの塩ビ管むき出しの給湯口に、この湯は飲用可能であるとの記載がある。
 熱い湯が苦手な私は、手前の端に陣取り、蛇口につながれたホースを抱え込んで、水を出しながら湯に浸かった。湯は、茶色のような緑色のような独特のもので、かなり濃厚だ。浴室内も、蒸気で真っ白なので、ほとんど視界ゼロ。なんという濃密な空間だ。しかし、何も見えなくてもいいのだ。すべてがとろけていくのを待っていればいいのだ。
 ちなみに、若栗温泉の湯は、ナトリウム−炭酸水素塩温泉(低張性・中性・高温泉)で、浴用としては神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病に効くという。また、飲用としては慢性消化器病、糖尿病、通風、肝臓病に効くという。
 スキーの聖地・白馬村にも温泉は多いが、同じく小谷村にも温泉はたくさんある。これからもどんどん紹介していく。
 若栗温泉 乗鞍荘は、すべてのスノーフリーク、ハイカーにお勧めできる温泉宿だ。

大人600円、小人500円(宿泊客は無料)


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県北安曇郡小谷村
若栗5506-1
600円 × × 10:00〜21:00(要確認) 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年1月19日(土)



 
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