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小谷温泉 あつ湯元 熱泉荘
(Otari Onsen Atsuyumoto Nessensou)



 小谷温泉は、国道148号線から10kmほど東に入った山奥にある。熱泉荘へは、入口から更に細い道を400mほど進まなければならない。車がやっと1台通れる道幅の道路である。
 今日は朝から大雨である。せっかくスキーをしに白馬へやってきたのに、このありさまである。これからこの冬一番の強烈な寒波がやってくるというのが天気予報らしいが、気温はすこぶる高い。しかたがないのでというか、ここぞとばかりに小谷温泉へやってきた。
 こんな天気なので、狭い急な坂道でも何とか熱泉荘にたどりついたが、路面に雪がある状況だと最後の400mはかなり厳しいだろう。
 熱泉荘は、かなり古い木造の建物であり、建物の前になぜか無意味に池がある。後で気づいたことだが、この地域では屋根の下の池に温泉の湯を入れている。屋根の雪が池に落ちれば、除雪をしないでも、雪は温泉の熱で解け、川へ流れ出ていくというわけなのである。
 熱泉荘の玄関を開けると、小熊とテンの剥製が出迎えてくれる。2体は仲良く同じガラスケースに納まっている。「熱泉荘の湯は熱いでー。覚悟せいや。」と言っているようである。
 そうである。熱泉荘の湯は、その名の通り熱いということで有名だそうだ。小谷温泉には3つの源泉があり、「大湯元」、「新湯」と、この熱泉荘の「あつ湯元」がある。いかにも熱そうな名称だ。
 浴室は玄関の下の階である。浴室に入ると、浴槽と3つの洗い場しかないシンプルな構造であることが分かる。シンプルであり、かなり古い。床、浴槽、源泉の注水口付近は、温泉の成分でコテコテである。また、洗い場は3つあるのに、椅子は2個しかない。シャンプー、ボディーシャンプーは一応具備されている。サウナはない。
 さて、待望の浴槽である。いかに熱いのか。恐る恐る足を浴槽に入れるが、全然熱くない。その湯温は42℃くらいで、私にとっては、適温そのものである。
 湯は乳白色であり、少し青みがかっているように見える。体を浴槽に入れたとたん、肌がヌルヌルする感じを覚えた。
 浴槽へは高い場所から源泉が注水されており、低い場所から水が注水されている。浴槽の湯は適温であるが、この源泉は多分60℃以上はあるかと思われる熱湯である。飲用可能なので飲んでみたが、飲用としてやっと口に入れられるほどの温度であるから、かなり熱いと言えるだろう。源泉と水が程良く混合され、適温の浴槽となっているわけだ。
 外は、雨がやんで、まるで春の陽気のようである。雪をかぶった山が見えるので、窓を全開にして、景色を楽しむ。冷たい空気が浴室へ入ってくれば、頭は冷えて、体は温まるという気持ちの良い状態になる。
 もし、どうしても熱い湯がいいというなら、浴槽への給水を止めるという方法があろう。但し、他の客に迷惑にならないように調整するべきであろう。もっとも、取材班が訪れた10:00頃は、他の客はいなかったが、、、。また、卵を持ち込んで、セルフ温泉卵を作るのも手である。入浴後のビールのおつまみに最適だ。だし醤油も忘れないように。
 ちなみに、熱泉荘の湯は、ナトリウム−炭酸水素塩泉で、神経痛、リウマチ性疾患、冷え性、病後回復期、胃弱、うちみなどに効くという。
 熱泉荘は、その名の通り、熱い源泉を持った快適な温泉だった。

大人500円、小人250円(宿泊客は無料)


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県北安曇郡小谷村
中土小谷温泉
500円 × × 10:00〜15:30(要確認) 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2007年12月29日(土)



 
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