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白馬東急ホテル
(Hakuba Tokyu Hotel)



 ついに今シーズン最後のスキーとなった。ゲレンデの雪は、既にシャバシャバの春の雪である。スキーウェアをやめ、シャツ一枚で滑るのが春スキーだ。春スキーには独特の開放感がある。吹雪はないから、笑顔が絶えない。重い雪と格闘し、技術を磨く。
 今回紹介する温泉は、今シーズン最後のスキーということもあって、豪華絢爛、白馬随一の国際派ホテルでかつ老舗の「白馬東急ホテル」である。庶民派銭湯愛好会には、なんとも似合わないのだが、、、。
 白馬東急ホテルの歴史は昭和34年まで遡るという。当時から東急ホテルは白馬の「迎賓館」と呼ばれるほど、伝統と格式があったようである。何しろ、北欧の様式を取り入れ、材木はシベリアの松を使ったというから、当時としては画期的なものであったに違いない。
 現在の東急ホテルは、建て替えが完了し、最新設備のホテルとなっている。広大な敷地に堂々と建設され、八方尾根のゲレンデを望む位置にある。ちょうど、オリンピックで男子滑降のゴール地点であった国際ゲレンデのすぐ近くだ。このあたりは和田野と呼ばれる美しい林になっている。
 東急が白馬の発展に果たした役割は特筆すべきものであろう。現在、東急は、白馬エリアで八方尾根、白馬岩岳、栂池高原というビッグゲレンデを3つも擁している。東急がなければ今の白馬はない、という言い方もできるかもしれない。
 ホテル館内に入ると、吹き抜けの大きなロビーである。フロントはわかりにくい場所にあるが、それはご愛嬌である。山岳リゾートらしく、切妻風の梁を見上げることができ、ベルボーイは流暢な日本語を話す外国人が勤めている。さすが白馬の迎賓館と呼ばれるだけのことはある。東急の経営者の誰が白馬を気に入って、このようなホテルを作ったのか、大変興味があるところだ。
 浴室は、左奥のレンタルスキーショップの奥だ。高級ホテルらしく、入口にはソファーを備えた休憩場所、ゴージャスなマッサージ椅子がある。
 脱衣室も立派だ。洗面台には、売店で売っている各種洗面用品が並べられ、ドライヤー、バスタオル、手ぬぐい、冷水器が完備。もちろん、トイレ、体重計、貴重品ロッカーもある。
 浴室はシンプルかつゴージャズだ。洗い場はたったの6箇所しかないが、ローパーティションがあって、隣に湯が飛び散ることを気にせずに済む。というのも、カランから出る湯の水圧は強烈だからだ。カランはサーモスタット混合栓であるが、自閉式ではなく、風変わりなレバー式で、気の済むまで湯を使用できる。
 洗い場には、馬油のボディーシャンプー、シャンプー、トリートメントがある。これらは各1ボトル3,000円以上もする高級品だ。せっかく来たのだから、たっぷりと贅沢に使おう。そして、炭の洗顔フォームがいい。これを使うと毛穴の奥まできれいさっぱりになり、お肌がプルプルになった感じがした。さすがに高級品は違う。思わず2回も使ってしまった。
 内湯の浴槽は20人くらいの定員だ。石貼で落ち着いた雰囲気だ。サウナは定員10人ほど。室内温度85℃。残念ながら水風呂はない。内湯にはシャワーブースも2箇所ある。
 露天風呂も立派だ。全面石貼。前方には広い庭が見える。ただ、この露天風呂、上部は格子状になっていて、前面にはカーテンも何もない。即ち、真冬はかなり苛酷な状態になると思われる。後で知ったが、冬期は露天風呂は閉鎖されるらしい。露天風呂へのアプローチには、これまたしっかりとした風除室がある。
 白馬東急ホテルに宿泊すれば、週末は1泊15,000円は覚悟しないと駄目だろう。このあたりの普通のペンションだったら2泊か3泊できてしまう値段である。白馬には素泊まりの旅館もたくさんあり、それらは1泊3,000円くらいだ。スキーをとことん楽しむだけが目的ならば、白馬東急ホテルは無用の長物である。白馬東急ホテルは、ゆったりと流れる時間を楽しむ、心の余裕が必要である(もちろん経済的な余裕も)。スキー、温泉、ショッピング、ディナー、蕎麦、眺望、森林浴、トレッキング、ブラブラ歩き、高山植物、蝶、釣り、あらゆるものを急がずに楽しむ。そんな人にだけ白馬東急ホテルは開放されているのだ。白馬東急ホテルは、まさに白馬の迎賓館である。
 ちなみに、白馬東急ホテルの湯は、アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進に効くという。

入浴料:大人1,000円、小人500円(宿泊客は無料)
マッサージ:45分5,000円
売店に売っている各種洗面用品:馬油ボディーソープ3,150円、馬油シャンプー3,150円、馬油トリートメント5,775円、炭軽石1,260円、炭洗顔クリーム1,260円、かかとクリーム2,730円、ヘアトリートメント1,890円、ピーリングジェル2,730円、あったかーいクレンジングオイル2,520円、美水泉2,520円、炭透明石鹸630円、馬油透明石鹸630円、馬油クリーム1,430円、プリスティーンウォーター2,625円、エスケアウォーター3,150円、セットウォーター2,100円、2EYE-Zone2,100円、美水肌8,190円〜


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県北安曇郡白馬村
八方和田野
1,000円 × 12:00〜16:00(宿泊者は5:00〜11:00、12:00〜25:00) 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年3月22日(土)



 
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