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信州・大町温泉郷 湯けむり屋敷 薬師の湯
(Shinsyuu Oomachi Onsenkyou Yukemuri Yashiki Yakushinoyu)



 スキーシーズンである冬以外はあまり訪れることのない長野へやってきた。今回紹介する温泉は大町温泉郷である。国道148号線から黒部ダムの方へ向かうと、車で約5分で大町温泉郷に到着する。

 大町温泉郷の周辺は、土産物店や食事処があって、いわばアルペンルート利用者のドライブインのような場所である。従って、利用者はアルペンルート観光の人、立山登山の人が圧倒的に多い。一方、冬は、サンアルピナ鹿島槍、爺ヶ岳スキー場などでスキーを楽しんだ人が多く利用しているようである。

 アルペンルートにはいろいろな思い出がある。初めてアルペンルートを訪れたときは、室堂周辺で山岳スキーを楽しんだ。2度目に来たときは観光だったが、雨で黒部ダムからの眺望は何も見えなかった。3度目は剣岳登山だった。1泊2日で剣岳に登り、へとへとになって下山し、この薬師の湯で疲れを癒して帰京した。

 薬師の湯は巨大な温泉施設である。旧館と新館に分かれており、中に入ればどちらでも好きな方へ行けるし、両方へ行っても良い。旧館は露天風呂が閉鎖されているが、単純泉、重曹泉、食塩泉、硫黄泉という4種類の温泉を楽しむことができる「体験風呂の館」になっている。

 一方、新館の方は、大きな内風呂と、2槽もある露天風呂がある「アルプス自然浴の館」になっている。今回取材をしたのはこの新館の方である。

 建物の中に入ると、土産物屋、軽食屋、大きな休憩室など、一通りのものが揃っているのに気づく。中でもマッサージ機械類が充実している。足ツボマッサージ器は4基(利用料5分100円)あり、マッサージ椅子は2種類あって、5分100円の廉価版が3基、5分200円の高級機が2基ある。そして、驚くべきは、マッサージベッドである。フランスベッドというベッドメーカーの製品であるこのベッドの利用料は、15分200円。先の高級機のマッサージ椅子に比べると割安感がある。果たしてどんな効果があるのだろうか、、、。

 脱衣室にはロッカーはなく、脱いだものはすべて籠へ入れる。貴重品は脱衣室入口にある貴重品ロッカーへ入れる。100円硬貨返却式である。登山者のためのザック置場は、脱衣室の外にある。脱衣室には、洗面台4基、ドライヤー2基(利用料無料)もある。

 さて、いよいよ浴室である。浴室には手前からサウナ、かけ湯、洗い場があり、奥に30人は入れるだろうと思われる大きな浴槽がある。そして、その脇に2〜3人程度しか入れないような小さな浴槽がある。これは「ぬるま湯」と呼ばれている。サウナから出てきた人が水風呂代わりに利用しているようだ。ぬるま湯の湯温は30℃を示していた。

 サウナは定員6人程度。室内温度86℃。かなり熱い。

 露天風呂は、風除室を通って外へ出ると、長方形の浴槽と、岩風呂の2つがある。長方形の浴槽の方は、モルタル仕上げなので味気ないが、屋根があるので冬には快適に雪景色を眺めることができよう。岩風呂の方は屋根がないのでワイルドである。おそらく冬期は使用していないだろう。残念ながら、露天風呂からは立山の景色は何も見えず、雑草だけが見えるのみであった。雑草風呂とは言いたくないのだが、、、。

 風呂上りは、休憩室へ。大きな休憩室には、ビールを飲んだり、居眠りをしている人が多い。風呂に入り、ビールを飲んで気持ち良くなり、昼寝をして、起きたらまた風呂へ。このサイクルを1日中繰り返すのが、本当の薬師の湯の楽しみ方である。

 薬師の湯は、多くの思い出が詰まったアルペンルート巡りの締めくくりとして、これからも旅行者の終着駅になり続けるだろう。

入浴料:大人600円、小人300円、未就学児無料、早朝(5:00〜8:00)は大人のみ100円引き(サウナ追加料金なし)


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県大町市大町温泉郷 600円 × 夏期5:00〜21:00
冬期8:00〜21:00
無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2006年8月26日(土)



 
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