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深山の湯
(Miyamanoyu)



 国道148号線(千国街道)は、かつて新潟県・糸魚川から長野県・松本まで塩を運んでいたことから、「塩の道」とも呼ばれている。今回紹介する深山温泉は、国道148号線の道の駅・小谷に設置された立ち寄り温泉である。
 国道148号線沿いには、南から鹿島槍、青木湖、さのさか、白馬五竜、白馬47、八方尾根、白馬ハイランド、白馬みねかた、白馬岩岳、栂池高原、白馬乗鞍、白馬コルチナ国際と12個ものスキー場がひしめき合い、さながらスキー場銀座の様相である。
 深山温泉は、最も北に位置する白馬コルチナ国際から更に北へ行ったところにあり、白馬駅前からは15km以上も北上しなければならない。このため、首都圏や、関西、名古屋方面からのスキー客は、この道の駅にはあまり来ないはずだが、なぜか非常に賑わいのある施設になっている。
 その理由は、巨大な売店「物産品直売所」にある。この売店には、地酒、ワイン、漬物、蕎麦、各種民芸品、りんご、などなどものすごい数の様々な郷土品が溢れているのである。例えば、蕎麦を捏ねる臼が数万円とか、囲炉裏が数万円といったものまであるのだ。
 試食もたくさんある。特に漬物の試食が充実しており、野沢菜はもちろん、長芋の漬物もなかなかいける。聞けば小谷は漬物が名産品なのだという。その他、雷鳥の里、蕎麦のかりんとう、りんごの試食もあり、お茶、冷水のセルフサービスまであるので、まさに完璧である。
 さて、前置きが長くなってしまったが、いよいよ温泉に入る。温泉の入口は、巨大な売店があるためにあまり目立たないが、売店のレジの奥にある。中に入ると、休憩室、自販機コーナー、足つぼマッサージ機(2基)がある。更に奥へ入ると、マッサージ椅子が4基ある。その奥が脱衣室だ。
 脱衣室は広々としており、洗面台が4基、ドライヤー(利用料無料)が2個ある。ロッカーはなく、籠が置かれているが、貴重品は脱衣室入口の貴重品ロッカーへ入れることができる。
 浴室は隅に洗い場(14箇所、ボディーシャンプー、リンスインシャンプーは完備)がまとめられ、浴槽が広々と確保されている。その浴槽は、温泉、薬湯、あがり湯という構成になっている。温泉は、独特の色と臭いで結構熱い。定員は15人ほどなのでゆっくりとくつろぐことができる。一方、薬湯と上がり湯は小さめの浴槽であり、湯は非常にぬるい。本日の薬湯はどくだみ。せっかく温泉に来たが、ぬる湯が好きな私は、薬湯で長湯をしてしまった。浴室は、床、腰壁、浴槽がすべて石で仕上られており、かなりゴージャスである。
 最後に露天風呂へ向かう。露天風呂はあまり大きくないが、立派な石風呂である。そして、傘帽子が3つ置かれていたので、思わずこれをかぶり、写真撮影をしてしまった。考えるに、この傘は雪や雨が降っている時でも快適に露天風呂が楽しめるようにするためのものであろう。機能性と、遊び心がうまく融合した、オーナーの粋な計らいである。
 売店で散々試食をした挙句、何も買って帰らないのは申し訳ないので、蕎麦と長芋の醤油漬を買って帰った。深山の湯は、小谷という郷土をとことん楽しめる素晴らしいスポットである。
 ちなみに深山の湯は、筋肉痛、神経痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、慢性皮膚病、慢性婦人病、やけど、虚弱児童などに効くという。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県北安曇郡小谷村
大宇北小谷1861−1
500円 × × 10:00〜21:00
(入場は20:30まで)
水曜日(祝日の場合は翌日休み、8月、年末年始、ゴールデンウィークは休まず営業)

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2006年3月25日(土)



 
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