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奥裾花温泉 鬼無里の湯
(Okususohana Onsen Kinasanoyu)



 今シーズンの白馬には、3つの大きなトピックがあると思う。1つ目は、映画「銀色のシーズン」の撮影だ。八方尾根や白馬47でロケが進んでいる。今から出来上がりが楽しみなスキー映画だ。2つ目は、オーストラリア人観光客の急増だ。これには仕掛け人がいるらしい。白馬も北海道のニセコに負けじと頑張っているようだ。3つ目は、「ももちゃんクレープ」の大ブレークだ。ももちゃんクレープは、八方尾根、岩岳などのゲレンデベースに、店を出している。昼時になれば、店の前は大行列である。
 さて、今回紹介する温泉は、白馬から17km、戸隠から22kmほどのところにある鬼無里の湯である。つまり、長野を代表する2つのスキーリゾートのどちらからでもアクセス可能な温泉なのである。しかし、そのアクセス道路はかなりの山道であるので、路面に積雪があるとアプローチは困難を極める。つまり、鬼無里の湯は秘湯中の秘湯なのだ。いや、秘湯とういうより、単にロケーションが悪いだけかもしれないが、、、。
 取材班が到着したのは、スキーシーズン真っ盛りの3連休の初日。14:00頃に現地に到着したのだが、取材班以外に客は車1台のみ。ほとんど貸切の状態である。
 鬼無里の湯の建物は立派である。平成15年に完成したという建物は真新しくて、清潔感がある。どんどん奥に入り、浴室へ向かう。浴室は極めてシンプル。サウナ、水風呂はなく、内湯と露天風呂、洗い場(7箇所)があるのみだ。その露天風呂は、「ひとりじめの湯」と命名されているのだが、冬期は閉鎖。なんとももったいない。雪景色が見られるというのに、、、。
 洗い場にはなんとシャンプー、ボディーシャンプー、リンスが個別に設置されている。湯船の湯加減も最適だ。こんなに快適な温泉があるのに、客がほとんどいないなんて、本当にもったいない。
 湯上りに売店に寄る。取材班は取材が目的なので、観光地ではあまり買い物をしない方だが、今日は、酒を2本、飴を一袋買った。「紅葉(くれは)」という名の地元の紫米を原材料に使用した名物日本酒と、水芭蕉という名の辛口の日本酒、昔懐かしい拳骨飴を買う。どれもこれも鬼無里の趣たっぷりの逸品である。
 温泉のフロント様に聞くと、今年の冬はやはり雪が少ないという。今までに吹雪いたことは1度しかなかったらしい。去年の冬は雪かきに多大な労力を費やしたが、今年は雪かき人員が体力を持て余し気味で、代わりに道路を行ったり来たりして体力を消耗させているのだという。
 ちなみに、鬼無里の湯は単純硫黄冷鉱泉(弱アルカリ性低張性冷鉱泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病に効くという。
 そして、さらに、鬼無里には日本最大と言われる水芭蕉の群生地「奥裾花自然園」がある。毎年ゴールデンウィークには見頃を迎える。また、この鬼無里の湯には、水車小屋、コテージ、宿泊施設もあり、ゆっくりと過ごすには良い場所だ。鬼無里の時間を満喫するには、この鬼無里の湯である。
 鬼無里の湯には、どこの時間にも侵食されないゆったりとした時間と、資質が溢れていた。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県長野市鬼無里日影8855 500円 × × 10:00〜20:30 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2007年2月10日(土)



 
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