戸隠 神告げ温泉 湯行館
(Togakushi Kamitsuge Onsen Yuniikukan)



 2007年最初の取材は、戸隠にある唯一の温泉「神告げ温泉 湯行館」である。「湯行」は「ユニーク」と読む。この「神告げ」の名称であるが、神社の裏から湧き出たことに由来するらしい。

 湯行館は、戸隠スキー場の中社ゲレンデの駐車場内にあるので、スキー帰りに徒歩で行くことができる至極便利な温泉だ。中社ゲレンデと言えば、戸隠スキー場の中でも穴場的なゲレンデで、非圧雪のパウダースノーが楽しめる上級者エリアだと言える。但し、今シーズンは暖冬の影響でゲレンデには積雪がほとんどなく、閉鎖されてしまっている。代わりに地元の子供達がそり遊びをしていた。

 今日は、朝早くから奥社、中社、宝光社と初詣をしてまわって、最後にこの温泉へやってきた。奥社へ行く山道は、地面がツルンツルンの雪道で、かなり危険だ。アイゼンが欲しいところだ。この時期、さぞかし初詣客で戸隠はごった返しているのだろうと想像してやってきたのだが、なぜかどこもかしこも閑散としていた。しかも、土産物屋もほとんど店を閉めている。

 さて、湯行館は1999年にオープンしたという比較的新しい温泉だ。つまりそれ以前は、戸隠でスキーを楽しんでも、温泉を楽しむことすらできなかったのである。湯行館のフロント前には、地元の野菜が所狭しと並べられている。特に目を引いたのは、巨大な長いも5本を袋詰めにしたもの。1,500円だったからかなりお買い得だろうと思う。

 湯行館の浴室は極めてシンプルである。サウナ、水風呂、露天風呂、シャワーブース、あがり湯はなく、1個の浴槽と8箇所の洗い場があるのみである。従って、スキーシーズンの夕方に来ようものなら、かなりの混雑を覚悟しなければならないだろう。洗い場にはリンスインシャンプー、ボディーソープが具備され、カランはシャワーヘッド付のサーモスタット混合栓である。洗い場の椅子はかなり背の高いものなので、腰やひざが悪い人には優しい設備だ。浴槽は定員10人くらい。湯温は45℃を指していた。

 これだけを聞けば湯行館はあまり特徴のある温泉とは言えない。湯行館はむしろ、その他のアメニティーに真骨頂がある。先の地元の野菜類の販売、お土産類の販売、マッサージ機械の充実度、食事処としての充実度、これらすべてで総合的に評価しなければならないだろう。

 マッサージ椅子は1基(利用料200円)しかないが、フランスベッド社製の「スリーピーローラーデラックス」と呼ばれるマッサージベッドが1基(利用料200円)、足ツボマッサージ器は2基(利用料100円)ある。また、食事メニューは、そば、ラーメン、天ぷら、牛丼、天丼、各種おつまみ、ビール、日本酒、そば焼酎がある。

 ちなみに、神告げ温泉の湯は単純温泉(低張性・弱アルカリ性・低温泉)で、神経痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進に効くという。

 湯行館は、スキーの後のあらゆるニーズに応える施設である。こんな施設があれば、誰も宿に泊まらずに日帰りで帰ってしまうのではないかと心配するほどである。罪な施設である。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県長野市戸隠3182 600円 × × 9:00〜21:00 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2007年1月2日(火)



 
 戻る
inserted by FC2 system