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白馬八方温泉 第一郷の湯
(Hakuba Happo Onsen Daiichi Satonoyu)



 八方尾根は日本を代表するスキー場でありながら、日本らしいスキー場ではなかったように思う。草津温泉、野沢温泉、妙高高原、山形蔵王。どれをとっても日本を代表するスキー場には温泉がつきものである。しかし、八方尾根には温泉の影が薄かったように思う。八方尾根は、その名の通り、四方八方に広がる中急斜面を最大のアドバンテージにしてきたからだろう。

 そんな八方尾根が温泉でスノーフリーク達を魅了しつつある。八方温泉をはじめ、塩の道温泉、かたくり温泉、姫川温泉など、気がつけば周辺は温泉だらけだ。

 そして日本のスキーのもう一つの楽しみが郷土料理である。草津には温泉饅頭があり、野沢には野沢菜があり、蔵王には蒟蒻があるが、白馬には美味い蕎麦屋が多い。スキーに温泉に蕎麦。三大エンターテインメントがここにはある。

 さて、今回紹介する温泉は、八方温泉の第一郷の湯。第一郷の湯は、八方の交差点にある。この交差点は長距離バスの停留所であり、ちょうど八方尾根スキー場への入口でもある。ということは、第一郷の湯はまさに八方尾根の顔という位置付けになろう。

 第一郷の湯の近くには、無料の足の湯があり、湯かけ薬師もいる。温泉に入る前に、薬師像に湯をかけ、温泉に入れることに感謝しよう。

 第一郷の湯は、趣のある木造建築である。中に入ると、正面にフロント(帳場)があり、その左側が男湯、右側が女湯である。休憩室は男湯の前にあり、畳部屋になっているので、ごろんと横になってくつろぐことができる。

 脱衣室から浴室をのぞくと、内湯の浴槽と、露天風呂が見える。今日は大粒の湿った雪がしんしんと降り続いている。早速露天風呂へ向かう。背中や肩にあたる雪が痛い。露天風呂の周辺には雪がたくさん積っており、雪国の温泉の醍醐味を味わうことができる。残念ながら、露天風呂の浴槽はホーローかプラスチックのような味気ないものだった。露天風呂は定員4人程度である。

 続いて内湯の浴槽に入る。こちらは、石とタイルでできており、湯温は露天風呂より少々熱めである。天井を見上げると大きな無垢の梁が見える。木造の温泉のぬくもりに包み込まれるようだ。浴槽の定員は10人くらい。

 洗い場は7箇所しかなく、スキーシーズンの夕方に洗い場を確保するのはかなり困難だろう。早めの入浴をお勧めする。シャンプーとボディーシャンプーは完備している。

 今年の冬は12月中旬から寒波、大雪が続いている。クリスマスの頃は、元湯が雪崩の被害に遭い、八方温泉は臨時休業を余儀なくされた。そんな厳しい自然の中であっても、人は温泉を求め、営業を再開させた。

 八方温泉は、このように厳しい自然と対峙しながらも、自然を思いっきり楽しんだスキー客、登山客を魅了し続けている。

 第一郷の湯で、疲れきった筋肉を解きほぐし、また明日もスキー三昧である。

 ちなみに八方温泉は、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進に効くという。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
長野県北安曇郡白馬村北城5695 500円 × × 12:00〜21:00 水曜日(7月下旬〜8月中旬と12月下旬〜3月末は無休)

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2005年12月30日(金)



 
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