白鳥温泉
(Shirotori Onsen)



 白鳥温泉(しろとりおんせん)は、湊川上流に位置し、黒川温泉と川を挟んで向かい側にある。黒川温泉も白鳥温泉も宿泊と入浴の両方が可能であるが、入浴だけなら白鳥温泉の方がお奨めかもしれない。黒川温泉の風呂は公衆浴場のようには広くないというのが黒川温泉の女将さんの話だったからだ。
 とは言うものの、白鳥温泉もそれほど大規模な温泉ではない。浴室には浴槽が2つと、洗い場が9箇所あるだけである。しかし、外は黒川温泉の建物が見え、その手前に渓谷が望める好立地だ。
 浴槽は2つあるが、一方が温泉、一方がなぜか薬湯だ。せっかく温泉があるのに、なぜ薬湯なのかは不明であるが、今日の薬湯は紫根の湯だ。湯温は適温。
 薬湯は気泡風呂になっているが、温泉の方は、気泡もマッサージ流もないシンプルな浴槽だ。渓谷を見ながらゆっくりとくつろごう。湯温はちょっと熱めだ。
 サウナはドライサウナのようなウェットサウナのような奇妙なサウナである。中に入ると湿気が感じられるが、眼鏡が曇ってしまって蒸気が噴出している場所は見つけられなかった。サウナ定員は4人くらいだろうか。一方、サウナの手前にある水風呂は極小のサイズである。定員は子供なら2人、大人なら1人程度であろう。温度はかなりぬるい温度であるから、水風呂初心者向けだろう。
 このサウナ、脱衣室から見ると、ログハウスのような外観になっている。屋根まであるので、サウナが後付で増設されたようにも見える。
 ちなみに、白鳥温泉は単純硫黄冷鉱泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病に効くという。
 黒川温泉と白鳥温泉の起源は、「樫の木湯」だと言われている。川原の温泉で傷を癒している猿を見て、この温泉の効能に気づいた昔の人たちが、お遍路さんにこの温泉でもてなしたことが始まりだ。
 それにしても、ここは山奥で交通の便が悪い。それだけに静かな入浴を楽しむことができよう。温泉は体を癒すだけでなく、その雰囲気で心を癒すものでなければ意味がなかろう。都会にあるスーパー銭湯はいろいろな趣向を凝らして癒しを演出しているが、ここにはそのような人工的な演出は必要ないのである。
 白鳥温泉によれば、ここでは春はウグイス、夏はカジカの鳴き声が渓谷に響き渡るという。そして、春は桜、秋は紅葉、冬は雪景色も味わえるらしい。白鳥温泉ではアクティビティーも充実。テニスコート、ゲートボール場、会議室も具備されている。食事は山の幸と海の幸の両方が味わえる内容となっている。例えば、刺身、押し寿司、散らし寿司、会席料理、讃岐うどんの他、冬期は鴨鍋、ぼたん鍋、寄せ鍋もある。
 白鳥温泉へ行くなら、日帰り温泉もいいが、1泊か2泊してゆったりと、流れる時に身を任せてみるのがいいだろう。

大人(12歳以上70歳未満)400円、小人(3歳以上、12歳未満)200円、高齢者(70歳以上)200円、3歳未満無料

本部の取材記録へ


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
香川県東かがわ市入野山465 400円 × 10:00〜21:00 木曜日(祝日の場合は翌日)、12月31日、1月1日

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年8月14日(木)



 
 戻る
inserted by FC2 system