さぬき温泉
(Sanuki Onsen)



 今回紹介するさぬき温泉は、塩江の山奥にある温泉を備えた宿泊施設だ。静かな山奥で、自然に囲まれながら、長期間滞在して温泉療養すなわち湯治をするための施設と言えるであろう。もちろん、日帰り入浴も可能である。
 フロントで入浴料金を支払い、大広間の休憩スペースを通り過ぎた所に浴室はある。内湯は、大きな浴槽と水風呂があり、その他に洗い場、サウナといった構成だ。内湯の外には、ガラス越しに緑の木々が見える。内湯の湯温は適温。サウナは定員4人ほどで、室内温度100℃だ。
 さて、内湯も十分に快適ではあるが、さぬき温泉の醍醐味は、やはりその露天風呂であろう。某雑誌には「絶景の露天風呂」という名目で紹介されているほどである。しかも、男湯には第一露天風呂、第二露天風呂と2つもの露天風呂が用意されている。
 まずは第一露天風呂。この露天風呂は内湯のすぐ近くにあり、竹林の斜面に面している。一方、第二露天風呂は、第一露天風呂から階数にして2フロアーほど下へ降り、距離にして50mほども離れたところにある。それもお世辞にも綺麗とは言い難い廊下を延々と進まなければならない。しかし、行くだけの価値はあるはずだ。第二露天風呂は、第一露天風呂よりもさらに眺望がよろしい。目の前には木々の緑と、下方には川が見える。このような暑い時期でも、すがすがしい気持ちで入浴が可能だ。秋ならば紅葉もさぞかし美しいであろう。
 内湯に話を戻すが、洗い場にはリンスインシャンプーとボディーソープが具備されている。ボディーソープは柑橘系のいい匂いがする。
 入浴後は休憩室へ。この休憩室はすぐれものである。広いし、畳敷きなのでゴロンと遠慮なく昼寝をすることもできる。常連客の中には、食べ物や飲み物を持ち込んでいる人もいるようだ。
 この休憩室を最大限に活用すれば、朝9:00から温泉に入り、この休憩室で体を休め、さらに何度でも風呂へ入れるというわけだ。これぞ温泉療法である。
 1日温泉を楽しんで、空調の利いた休憩室で、好きなものを食べるなり、ビールを飲むなり、テレビを見るなり、本を読むなり、おしゃべりをするなり、自由である。これだけ使い勝手の良い施設を利用しない手はないであろう。
 ちなみに、さぬき温泉の湯は弱アルカリ性低張性冷鉱泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、間接のこわばり、運動麻痺、うちみ、くじき、冷え性、慢性消化器病、痔疾、健康増進、疲労回復、病後回復期に効くという。
 なおオプションであるが、プライベート露天風呂付きの離れの宿泊室、マッサージサービス、カラオケ、将棋・囲碁・麻雀セットの貸し出しもある。また、徒歩1分のところには樺川渓谷の涼しげな滝を見ることもできる。
 さぬき温泉は塩江温泉からはかなり離れた場所で、集落のどん突きに当たる山の中にある。このため、塩江温泉にある喧騒や通過交通の排気ガスとは無縁だ。静かに温泉を楽しみたい人にはもってこいであろう。

大人(中学生以上)500円、小学生300円、2歳以上200円

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住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
香川県高松市塩江町安原上東2065-1 500円 × 9:00〜21:00 第2、第4水曜日

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2010年8月14日(土)



 
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