クア温泉屋島
(Cua Onsen Yashima)



 今年の夏も高松へやってきた。というわけで早速銭湯取材である。今回紹介する銭湯は、琴電・八栗駅からすぐのところにあるクア温泉屋島である。
 さすがに田舎の銭湯だけあって、駐車場はかなりの台数分が確保されている。中に入ると正面がフロントである。ロビーはあまり広くはないが、2階が無料の休憩室になっており、軽食も可能になっている。1階ロビーには新しいマッサージ椅子が、2階には骨董級のマッサージ椅子がある。
 浴室は、一般的な銭湯としては、かなり広いと言えるだろう。しかも、一般的な銭湯の間取りとはかなり異なる独特のレイアウトだ。入口正面にいきなり壁が立ちはだかるが、これは、洗い場同士を背中合わせにしないための工夫であろう。洗い場は全部で15か所あるが、なぜか椅子の数が洗い場の数より明らかに少ない。理由は不明である。
 浴室レイアウトは、左手前から時計回りに、寝風呂(2人分)、電気風呂(3人分)、広い超音波風呂、円形の薬湯、岩風呂の露天風呂、水風呂、サウナとなっている。
 寝風呂は2人分しかないが、十分な間隔がとられている。薬湯と露天風呂は今日は玉露風呂になっている。玉露風呂とは、緑茶のような色をした薬湯だ。緑茶のカテキンが抗菌作用を、ビタミンCが美肌に効果があるという。浴槽はどれもぬるめになっており、長湯が可能だ。
 問題は電気風呂である。通常の銭湯なら電気風呂は1人分であるが、クア温泉屋島はなんと3人分も用意されている。今日は腰痛がするので、苦手な電気風呂にチャレンジだ。人間誰しも追いつめられると何でもできるものだ。いつもは手を入れるだけであきらめてしまうビリビリ感も、今日は心地よく感じる。
 体を電極に近付ければ近づけるほど、このビリビリ感は強烈なものとなる。親切な常連客が教えてくれた。しかし、常連客はもっとすごい電気風呂の使い方をしている。彼らは浴槽の中に椅子を入れ、その上に座っているのだ。電極が少し高めに位置に設置されているので、椅子で腰を電極の高さにまでかさ上げし、腰をできる限り電極に近付けようとしているのだ。これぞ電気風呂の極意である。
 結局、今日は前半と後半の2回も、各10分程度ずつ電気風呂を楽しんでしまった。これで腰痛が少しはましになったような気がした。
 サウナはかなり広く、15人は入れる広さだ。テレビも設置されている。室内温度は98℃。入口付近には特等席があり、ここだけ温度が少し低い。サウナ初心者用の特等席である。ここに座れば、サウナ室内にいるサウナ通達の極意をつぶさに観察することができよう。
 露天風呂は立派な岩風呂であり、周囲にはいくつかのベンチが設置されているので、ほてった体を冷却させることが可能だ。
 東京の銭湯では、サウナ込み料金が800円にもなる銭湯が当たり前のように存在する。しかし、クア温泉屋島はサウナ料金込みで360円。こんな値段でこれほど楽しめるなら、十分に価値があると言えよう。クア温泉屋島は、露天風呂、サウナ、電気風呂、どれを取っても完璧である。

大人(12歳以上)360円、中人(小学生)150円、小人60円、サウナ追加料金なし

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住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
香川県高松市高松町2187-1 360円 12:00〜23:30
(土曜・日曜・祝日は
11:00〜23:30)
無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2009年8月10日(月)



 
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