雫石プリンスホテル 雫石高倉温泉
(Shizukuishi Prince Hotel Shizukuishi Takakura Onsen)



 1993年、アルペンスキーのワールドカップが開催されたスキー場として有名なのが、この雫石スキー場だ。ワールドカップのダウンヒルの競技を行うためには、それなりの標高差と斜度が必要だから、ワールドカップはこのスキー場の資質の高さを十分に示す出来事だと言えるだろう。
 しかし、ゲレンデを見る限り、閉鎖されたコース、見るからに廃線となったリフト、ゴンドラが目立つ。他のスキー場と同様、このスキー場の経営はかなり苦しそうだ。
 そんな中で私のお勧めは、レディースダウンヒルコース。ワールドカップの女子ダウンヒルコースになったコースだ。ゴンドラ1本で一気にトップからベースまで滑り降りることができる。一方、メンズダウンヒルコースは滑走可能ではあるが、もう一基のゴンドラが営業を停止しているので、リフトを3本乗り継がないとゲレンデトップから滑り始めることができない状況である。
 今回紹介する温泉は、スキー場のベースにあるプリンスホテルの温泉だ。宿泊者だけでなく、日帰り入浴も可能だ。日帰り入浴が可能となる14:00に温泉へ行ってみたが、なぜか満員である。「スキーよりも温泉。」という風潮の表れだろうか。チェックアウト後に宿泊者があわただしく入浴をしているのだろうか。
 浴室は洗い場と露天風呂があるのみだ。入口近くに洗い場が5ヶ所あるが、ここは寒いので避けよう。奥の洗い場へ。奥には洗い場が12ヶ所ある。各洗い場は隔壁があって、個室性が高い。湯水が周囲に飛び散るのを気にしないで済むのがいい。洗い場には、シャンプー、コンディショナー、ボディーソープがある。
 雫石高倉温泉には内湯がない。浴槽は露天風呂のみである。脱衣室から出て正面がその露天風呂だ。一見すると、この露天風呂はかなり広く見え、かなり野性味がある。しかし、それはトリックであることがすぐにわかる。露天風呂の向こう側は池になっており、この池と露天風呂が一体になっているように見えるので、露天風呂が広く見えるのである。
 池の周りは3箇所以上の滝が配置され、広大な雪景色もある。池の中はもちろん水なので、入ることはできない。露天風呂からは、ロープウェイとゲレンデも一部見える。
 露天風呂の上は、立派な小屋組みがあり、この温泉で唯一くつろげるスペースである。脱衣室はあまり広くなく、休憩場所もないので、日帰り入浴客はあまり居場所がないかもしれない。また、サウナ、水風呂はない。
 ちなみに雫石高倉温泉は、ナトリウム−塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、冷え性、慢性消火器病、病後回復期、疲労回復、健康増進などに効くという。
 雫石高倉温泉は、プリンスホテルというスマートでお洒落、かつ都会的なイメージからは想像し難いような野性味のある温泉であった。スキーの後の癒しとしては、快適そのものである。

入浴料:大人1,000円、小人(4歳〜12歳)500円、3歳以下無料(宿泊者は無料)


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
岩手県岩手郡雫石町高倉温泉 1,000円 × × 14:00〜24:00
(宿泊者は6:00〜10:00も
入浴可能)
無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2008年12月30日(火)



 
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