有馬温泉と
全国土木建築国民健康保険組合 保養研修所 ありま
(Arima Onsen
And Zenkoku Doboku Kenchiku Kokumin Kenkouhoken Kumiai Hoyoukensyuusyo Arima)



 有馬温泉は私にとって特別な温泉だ。なぜなら、私の先祖は有馬温泉の近くで百姓をやっていたと両親から聞いているからだ。加えて、私は子供の頃、両親や祖父に連れられて、何度も六甲山登山をしていた。芦屋側から入山し、下山は有馬温泉側にし、温泉へ立ち寄ったり、先祖の墓参りをしたものだ。有馬温泉の湯は真っ赤な色をしていて毒々しいが、それは飲用も可能だ。祖父はこれを持ち帰って飲んでいたようだ。

 有馬温泉は日本最古の温泉と考えられている。三羽のカラスの怪我がすぐに治ったとか、神代からのさまざまな伝説が存在する。銭湯発祥の歴史には欠くことのできない僧侶・行基が8世紀に有馬温泉の基礎を形成し、その後12世紀に僧侶・仁西(にんさい)が当時洪水で荒れ果てていた有馬温泉を再興したと言われている。

 有馬温泉は、舒明天皇、孝徳天皇、清少納言、豊臣秀吉、谷崎潤一郎ら、歴史に名を残す人々に愛された。その泉質は、環境省が療養泉として指定している9つの主成分(単純性温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、硫黄泉、酸性泉、放射能線)のうち、硫黄泉、酸性泉を除く7つの成分を含んでおり、世界でも極めて珍しいものだ。

 有馬温泉の赤い湯は金泉(含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉)とも呼ばれ、冷え性、腰痛、筋肉痛、関節痛、末梢血行障害、感染性皮膚疾患、慢性湿疹、アレルギー性皮膚疾患、じんましん、きず、やけどなどに効果がある。

 一方、有馬温泉には透明な泉質もあって、これは銀泉と呼ばれており、二酸化炭素泉(炭酸泉)と放射能線(ラドン泉)がある。前者は、高血圧症、末梢動脈閉塞性疾患、機能性動脈循環障害、機能性心疾患に効果があり、飲用すれば食欲増進の効果もある。後者は、硬直性脊椎症、間接の退行性症状、慢性多発性関節症、脊椎の退行性疾患、慢性痛風、関節・筋肉のリウマチ、軽度の末梢性動脈血行障害、更年期障害、気管支性ぜんそくに効果があるという。

難しいことはさておき、とにかく有馬温泉は素晴らしい温泉なのだ。

 温泉街も情緒がある。やたらと坂があり不便であるが、ブラブラとお土産物屋を見て歩くのも良い。代表的なお土産は、温泉饅頭と炭酸煎餅だ。また、温泉寺と温泉神社はぜひ訪れたい場所だ。温泉寺は行基が建立したもので、温泉神社は神代に有馬温泉を発見したと言われている大已貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)が祀られている静かな場所だ。

 さて、今回紹介する温泉は、有馬温泉内にある、「全国土木建築国民健康保険組合 保養研修所 ありま」である。小さな宿泊施設であるが、休日をゆっくり過ごすのにはちょうど良い。

 内湯と露天風呂は適温からぬるめの設定。リラックスするのにもってこいだ。石鹸類ももちろん完備している。女湯には、米ぬか乳液と米ぬか化粧水も完備している。

 ちなみに、保養研修所 ありまの湯は、含弱放射能・鉄・二酸化炭素−ナトリウム−塩化物泉(含弱Rn・Fe・CO2・Na・Cl泉)等張性中性温泉であり、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、間接のこわばり、運動麻痺、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進、痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆嚢症、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病、月経障害、きりきず、やけど、虚弱児童に効くという。

 有馬温泉は、効能の百貨店のようである。

宿泊料:
被保険者5,250円〜9,870円
一般8,085円〜13,335円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
兵庫県神戸市有馬町1771-1 (宿泊者
のみ)
× × 15:00〜23:00、6:00〜9:00
(宿泊者のみ)
無休(要確認)

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2010年8月7日(土)



 
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