安八温泉保養センター
(Anpachi Onsen)



 今回紹介する温泉は、岐阜県の安八温泉保養センターだ。「安八」は「やすはち」ではなく「あんぱち」と読む。
 安八は、702年の日本最古の戸籍に、「味蜂間郡」あるいは「安八萬」とあり、これをそれぞれ「あはちまごおり」、「あはちま」と読んだことに由来すると言われている。
 大明神西交差点で県道220号線から県道18号線へ入る。自由の女神像があるパチンコALVANが目印だ。安八温泉保養センターはここからすぐのところだ。
 安八温泉保養センターは健康ふれあいドームが併設された町営の複合施設だ。温泉の他、軽食、喫茶、マッサージ、鍼灸、カラオケが可能な大広間があり、ゲートボール、テニスが可能な巨大屋内ドーム(1,000m以上の広さ!)もある。
 我々取材班が安八温泉保養センターに到着したのは、開店間もない10:10頃。既に地元のお年寄りが続々と集結してきている。60歳以上の地元在住のお年寄は、入浴料金が無料だからだ。そうでなくても入浴料金はたったの300円。しかも、館内にあるヘルストロンは、入浴料金さえ支払えば、使用料無料で使いたい放題だ。ヘルストロンでは9,000ボルトの交流高圧電界により、体調改善(肩こり、頭痛、不眠症、慢性便秘)が期待できるとのことだ。
 安八温泉保養センターの温泉は、地下1,060mから汲み上げたものだ。ナトリウム塩化物、炭酸水素塩泉で、神経痛、筋肉痛、関節痛、病後回復期、疲労回復、健康増進、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、きりきず、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病、虚弱体質、虚弱児童に効くという。
 浴室は高価そうな石とタイルで仕上げられた落ち着いた空間だ。洗い場は10箇所。入浴料金が安いせいか、石鹸類は一切具備されていない。シャワーブースは2箇所。その他に横方向から水流が出てくるシャワーブースも1箇所ある。
 浴槽は内湯が2槽(大浴槽と寝風呂(3人分))、露天風呂が1槽で、露天風呂には打たせ湯もある。どの浴槽も湯温は極めてぬるく、長湯が可能だ。お年寄りの客が多いので、熱湯でポックリ行かれてしまっては困るからなのだろうか。
 この打たせ湯に繰り返しトライしている常連のお年寄りがいた。5分くらい打たせ湯で身体をいじめたその常連は、内湯に戻ると、浴槽の縁を使って踏み台昇降まで始めた。安八温泉保養センターは「健康増進施設」と銘打っている。しかし、このような独創的な使われ方をするとは、誰も想像していなかったであろう。
 安八温泉保養センターでは、毎月第1日曜日の朝9:00から、温泉朝市を敢行。地元の野菜や郷土料理、特産品が出品されているようだ。実施主体は安八町役場の建設部・産業建設課だ。ちなみにこの辺りでは、ほうれん草うどん、安八河原うどん、百梅うどん、百梅干し、あはちま漬けなどの特産品がある。
 安八温泉保養センターは、地元のお年寄りにとって一日中楽しめる素晴らしい施設である。近くには三洋電機のソーラーアークもある。

大人300円、小人(小学生、中学生)100円、未就学児無料、60歳以上の町内在住者無料、マッサージ10分1,000円、20分2,000円、40分3,500円、60分4,800円、鍼灸3,000円


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
岐阜県安八郡安八町中須202 300円 × × 10:00〜21:00(最終受付20:30) 毎月1日、15日、8月15日、10月の第2日曜日、12月31日、1月1日

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2009年10月24日(土)



 
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