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道後温泉 本館
(Dougo Onsen Honkan)



 今日は香川から愛媛へ向かい、遠征取材である。日本最古、3000年の歴史を誇る道後温泉の取材だ。

 道後温泉と言えば、本館の建物が圧巻である。大江戸の銭湯も顔負けの破風が堂々と通りに突き出している。そして建物全体の大きさも半端ではない。この本館、明治27年に建立され、平成6年には温泉施設としては始めて国の重要文化財に指定されたという。もしかすると、大江戸の銭湯の破風は、すべからくこの道後温泉の物まねだったのかもしれない。そう考えると、この建物の偉大さが際立つ。しかも、この建物は明治時代においてもかなり珍しい建築様式だったというから、なおさら貴重である。

 ただ、道後温泉が古風なのは外観だけで、中はあまり古臭くはない。脱衣室までは木造風であるが、浴室は一転して石造りとなっており、期待はずれというか、かなり面食らってしまった。

 その石造りの浴室の中央には、「湯釜薬師」と呼ばれる湯の出口があり、かなりのスペースを食っている。およそ効率的な浴槽構造とは思えないが、この湯釜薬師こそが道後温泉のシンボルなのだから仕方がない。湯釜薬師は香川の石の名産地、庵治の石を使用しており、万葉歌人・山部赤人の長歌が刻まれている。

 洗い場は15箇所ほどで少なく、石鹸類は何も具備されていない。また、サウナ、水風呂もなし。道後温泉は極めてシンプルである。これは昔からの浴室のスタイルそのままを具現化したためであろう。湯温は少し熱めである。正面の壁には大きなタイル画がある。

 このような浴室が実は東西2つあって、どちらへ入っても良いことになっている。もちろん両方へ入っても構わない。但し、浴室が2つあるのは男湯だけで、女湯は1つだけらしい。そして、浴室内へは、時々清掃のおばさんがどかどかと入ってくるので、自分の××に自信のない人は要注意である。ちなみに我々が取材したのは、本館の中の神の湯である。

 尚、本館の近くには椿の湯という別の新しい公共の温泉もある。また、道後温泉周辺には、明治の雰囲気を残した道後温泉駅、夏目漱石の小説・坊ちゃんの登場人物が出てくるからくり時計、蒸気機関車風の路面電車(本物の蒸気機関車ではなく、エンジンを搭載しているものと思われる)、足湯、土産物屋が並ぶ商店街など、見所は多い。

 ちなみに、道後温泉はアルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進に効くという。

営業時間と入浴料
○神の湯(かみのゆ)2階席
神の湯の入浴料+広間休憩室の利用料+お茶+煎餅
6:00〜21:00 
大人800円、小人400円(利用時間60分間を限度)、石鹸付貸しタオル50円

○神の湯階下
神の湯の入浴料
6:00〜22:30 
大人400円、小人150円(利用時間60分間を限度)、石鹸付貸しタオル50円

○霊の湯(たまのゆ)3階個室
霊の湯の入浴料+神の湯の入浴料+個室休憩室の利用料+貸し浴衣+お茶+坊ちゃん団子+又新殿(ゆうしんでん)観覧料
6:00〜20:40 
大人1,500円、小人750円(利用時間80分間を限度)

○霊の湯2階席
霊の湯の入浴料+神の湯の入浴料+広間休憩室の利用料+貸し浴衣+お茶+煎餅+又新殿(ゆうしんでん)観覧料
6:00〜21:00 
大人1,200円、小人600円(利用時間60分間を限度)


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
愛媛県松山市道後湯之町5-6 (上参照) × × (上参照) 無休

※ 入浴料はサウナ料金込で表示
※ TVはサウナ内にTVがあるかを表示
取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2006年8月16日(水)



 
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