日本における銭湯の概要
Go to English page


#1 日本における風呂の始まり

 バスルームを表す「風呂」の語源は定かではないが、風呂はもともと蒸気風呂、即ちサウナであった。これに湯船(浴槽)が付け加わって、日本独自の風呂になっていくのである。ではいつから風呂に湯船が付け加わったのか、についても実は定かな説がない。風呂は謎だらけである。

#2 日本における銭湯の始まり

 日本における銭湯のはじまりは、寺院とされている。僧侶たちの禊(みそぎ)や仏像洗浄のための浴室が一般大衆に無料で開放された。開放された理由は、寺院が仏典による「入浴によって七病を除き、七福を得る。」という功徳を重視した福祉・慈善事業を行っためである。それを「施浴」呼ぶ。銭湯という「湯銭を取って客を入浴させるビジネス」がいつから始まったのかについては定かではないが、江戸時代にはかなり一般的になっていたようである。

#3 銭湯の発展段階

 銭湯は江戸時代から昭和にかけて大きく発展した。東京では、関東大震災後にあちこちに寺院のような「破風造り(宮造り)」と呼ばれる銭湯が登場した。銭湯が寺院と同様に町の中心であったことを意味し、銭湯が地震に強い建築構造を標榜していた証である。破風とは、本来屋根を支える部材を守る構造材の一種である。破風は、遠い過去には東大寺や妙心寺の浴室にも採用されており、特に東大寺では浴室の保温のために破風が採用されていたという。

#4 現在の銭湯

 ほとんどすべての家に風呂が備わっている現在、銭湯の存在意義はなくなる一方であり、銭湯ビジネスは斜陽産業となってしまった。しかし、銭湯でしか味わうことのできないリラックス・快感を求める銭湯ファンは多い。また、新しい銭湯の形態として、スーパー銭湯なるビジネスも東京や大阪、名古屋のような都市部を中心に広まりつつある。銭湯は日本の文化であり、今後も消えることはないだろう。

入浴情報へ
特別取材へ

 戻る

inserted by FC2 system